内容説明
多くの日本人が抱いている仏教観は、つくられたものだった!本書は、宗教や哲学の思想を平易に説くことで定評のある著者が、日本人がこれまで信じてきた仏教の「非常識」を明らかにしつつ、ブッダが説いた「真の仏教」をわかりやすく解説している。「輪廻転生による生まれ変わりは仏教の考えにはない」「実は霊魂や極楽浄土の存在を否定している」など、従来の仏教観を覆す画期的入門書。
目次
第1章 人生の苦しみについて
第2章 「縁起」を知り、「空」を知る―これが悟りだ
第3章 煩悩から自由になる
第4章 愛と慈悲について
第5章 ここがおかしいぞ、日本の仏教
付録 輪廻思想について考える
著者等紹介
白取春彦[シラトリハルヒコ]
青森市生まれ。獨協大学外国語学部ドイツ語科卒業。1979年、ベルリン自由大学入学。哲学・宗教・文学を学び、85年に帰国後、著術業に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たみ
11
[図解世界の宗教/西東社]で「迷信や偽説を排し純粋な形でわかりやすく説明した仏教入門書」と紹介されていたので手にとりました。難しい漢字はほとんどなく説明も丁寧で読みやすかった。妙ってもともとは素晴らしい言葉だったのか、日本語って難しいなあ。2015/01/10
がま
3
霊魂やら浄土やら輪廻やらと、日本人の仏教観は、釈迦が説いたものとはかけ離れた、むしろキリスト教やヒンズー教に近いものである。釈迦は死後の世界について考える暇があったら、今を生きよと説いた。仏教は徹底して論理的な、実際的な宗教であり、その極意は縁起と空である。それ以外の細かな知識や説は枝葉末節にすぎない。人生は苦しみに満ちている。それは渇愛に束縛されているからだ。縁起を理解し、空に目覚めることが、悟るということであり、それのみによって現世の苦痛を脱した涅槃の境地に入れるのである。2015/08/16
たいそ
2
仏教を知る第一歩である「縁起」、「空」とは何か。煩悩がない状態とはどういう状態かというのが参考になった。2011/06/05
KK
0
仏は神ではない。即ちゴータマ・シッダールタは仏だが、神ではない。お釈迦は仏のことだが、神ではない。仏像は偶像崇拝ではない。・・・そんな訳で、RADWIMPSのおしゃかしゃまの歌詞は、丸々勘違いされて書かれたのが分かります。また仏は神ではないので、仏像に手を合わせ、個人の夢や野望を願うのは間違いです。「悟れますように」、これが正解です。今夜はRADWIMPSを聴いて寝よう!2016/08/20
Usako
0
本来ならば「信」ではなく「知」の宗教観。日本の仏教宗派や歴史書をも客観的に俯瞰して本質だけを解釈する、強烈な余韻。2013/04/20