出版社内容情報
一代で「土佐二十四万石」を築いた夫婦の物語。
信長・秀吉・家康に仕え、「土佐24万石」の大大名に出世した山内一豊とそれを支えた妻千代。夫婦二人三脚の歩みを描く力作長編小説!
平成18年度(2006)のNHK大河ドラマは、「功名が辻」に決まった。一代で土佐二十四万石の大大名に出世した山内一豊と妻千代の物語だ。
▼戦国時代の夫婦二人三脚による成功物語といえば、秀吉とおね、利家とまつなど数例があるばかり。とりわけ一豊と千代に関しては、武辺者の一豊よりも才知ある千代が高く評されてきた。嫁入りの持参金をはたいて夫に駿馬を購入させた逸話などが、広く世に知られるためだろう。しかし本書は、そうした固定的な見方に疑問を投げかけ、「生身の夫婦像」を紡ぎ出すことに挑戦している。
▼ともに合戦による一族離散という悲劇を経て出会った二人は、夫の槍一筋の功名を妻が支え、四百石取りから長浜二万石の城主へ、さらに掛川城六万石へと着実な歩みを続けていく。しかし長く仕えた秀吉が没し、関ケ原の合戦が起こるや、思わぬ幸運と試練が二人を見舞うのだった……。
▼女流作家ならではの視点がさえる会心の長編歴史小説。
●第1章 岩倉落城
●第2章 墨俣
●第3章 関(安桜山)落城
●第4章 北近江 坂田郡
●第5章 唐国 四百石
●第6章 秀吉 酔談
●第7章 馬市
●第8章 伊勢亀山城攻め
●第9章 長浜大地震
●第10章 お拾い
●第11章 掛川 六万石
●第12章 太閤 終焉
●第13章 土佐 二十四万石
●第14章 京へ
内容説明
戦国の荒波に敗亡を余儀なくされ、一族離散の憂き目を見た若き日―奇しくも同様の生い立ちを背負った男と女の出会いは、秀吉とおね、利家とまつに比肩される夫婦二人三脚の成功物語をつむぎ、後世に語り継がれた。無骨な槍一筋の功名に生きる山内一豊と、独自の才智で夫を支え続けた千代。夫と妻の細やかな心の交流を描きながら、乱世に苦闘する人間模様を活写した力作。文庫書き下ろし。
著者等紹介
中島道子[ナカジマミチコ]
福島県三国町に生まれる。実践女子大学国文科卒業。日本ペンクラブ会員。明智光秀顕彰会副会長(大津市)。武蔵歴史フォーラム会長(川越市)
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