出版社内容情報
国民的作家・池波正太郎の箴言集を文庫化。
国民的作家・池波正太郎の作品群から言葉を精選して編んだ箴言集をついに文庫化! 人間を知り尽くした男の味わい深い名言に沈思する。
人は、死ぬところに向かって生きている――人間を“有限の生命体”と捉え、絶えず、生きることの“はかなさ”と“おもしろさ”を作品に刻み続けた池波正太郎。従来の時代小説ファンのみならず、じつに広範な読者の心を魅了した池波作品は、現代においても多くの人に支持され続けている。
▼本書は、池波正太郎の残した膨大な小説・エッセイ群の中から、「人生と処世」「男と女」「歴史のドラマに学ぶ」など、テーマ別に言葉を選りすぐって編んだ箴言集。
▼「人は、おのれの変わり様に気づかぬものよ。なれど、余人の変化は見のがさぬ」(『真田太平記 十』)「ともあれ、人間というものは、辻褄の合わねえ生きものでございますから」(『剣客商売/浮沈』)「人のこころの奥底には、おのれでさえわからぬ魔物が棲んでいるものだ」(『鬼平犯科帳 十』)など、人間の心の奥底を知った男だから言える、味わい深いことば。そこに人間の本質を見出すことができる。
●第1章 人間という生きもの
●第2章 男をみがく
●第3章 男の生き方
●第4章 リーダーの条件
●第5章 男の死にざま
●第6章 世間というもの
●第7章 歴史のドラマに学ぶ
●第8章 男と女の勘ちがい
●第9章 家族の風景
●第10章 食通の流儀
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旗本多忙
17
池波氏が作品の中で書かれたもので、主人公又は登場人物が吐いた言葉を列挙している。 要するに氏の蘊蓄を言葉にしたものであるが、深い含蓄があり、生きる人にとって重みのある言葉だ。生きる為に様々な障害があるのが人生でしょう。そこを突き詰めていくと、やはり人には生と死しかないのだろうな。その狭間で思うこと多々あり。読むクスリですな(笑)2020/11/11
ドナルド@灯れ松明の火
17
池波さんの価値観・人生訓をテーマごとに主要作品から引用。人間は必ず死ぬ、そのため、毎日を送るには覚悟が必要。時間を守る・余裕を持つ・食の大切さ等、これでもかというぐらい池波さんの作中から選び抜かれた言葉の数々。素晴らしい箴言集である。お薦め2017/05/26
TAKA
13
久しぶりの再読。 池波正太郎が読者に語りかける言葉の数々…。 人生とは、人間の生死についてなどなど。 ふとした時に本書を手に取り、ウンウン唸りながらページを捲る自分がいる。 読むたびに考えさせられる、味わい深い文章に脱帽である。 著者と私は生きた時代は違えど通じるものがあり、人生の岐路に立った時に繰り返し読む私の大切な一冊である。2014/07/13
幹事検定1級
10
池波先生の人生感をまとめた一冊です。 先生は「人は死ぬこと」を常に意識されて行動されていたとのことです。 また人との待ち合わせに絶対に遅れないことを守り続けていたと書かれ、それは人の時間を無駄にしないためという言葉に感銘を受けました。 人生のバイブル的な一冊です。2014/06/09
よしじ乃輔
8
池波作品やエッセイからの言葉で編まれており、書店でパラパラと読んでいるうち、これは大事にしたい本だと思い購入。氏の美学を感じ粋な方だったと改めて思う。厚みのある人間像を言葉の奥から感じました。2023/10/01