出版社内容情報
天下安寧を願い信長を討った男の生涯を描く。
「ときは今 天が下しる 五月哉」――天下万民の幸福を願い、本能寺で信長に反旗を翻した明智光秀。その理想に殉じた男の生涯を描く。
<水色桔梗>の幟が京の町を埋め尽くす。間もなく夜が白み始める虎の中刻、本能寺の四囲を完全に包囲し終えた光秀の高らかな声が、ひそとした本能寺の中に吸い込まれる――「明智日向守光秀、織田弾正忠信長殿の御首、頂戴仕る!」
▼「本能寺」から遡ること二十数年、美濃明智城の陥落から最愛の妻子と共に落ち延びた光秀は、諸国を流浪する苦難の時代を迎える。
▼一度は滅んだ明智の再興を目指す光秀だが、いつしかその心は、乱世に平穏をもたらす主君を求めてやまなくなる。朝倉義景に失望し、将軍足利義昭を見限り、ついに光秀は己が主君として信長を見出した。
▼信長の掲げる<天下布武>への尽力によって異例の出世を果たし、一介の牢人から三十四万石の城主にまで上り詰めた光秀。その光秀を、自身が望んだ乱世の平定を目前にして「本能寺」へと駆り立てたものは何だったのか。天下万民の幸福を心から願い続けた孤高の智将の生涯を描く。
▼文庫書き下ろし。
●第1章 流浪の将軍
●第2章 船出の秋
●第3章 京の奉行
●第4章 坂本の城
●第5章 髑髏の酒
●第6章 丹波への道
●第7章 本能寺の夢
●第8章 小栗栖の藪
内容説明
水色桔梗の幟が早暁の京の町を埋め尽くす。光秀の凛とした声が、ひそとした本能寺の中へ吸い込まれた。「信長殿の御首、頂戴仕る!」―明智城の陥落から二十数年、信長のもとで異例の出世を果たし、一介の牢人から三十四万石の城主にまで上り詰めた明智光秀。その光秀を「本能寺」へと駆り立てたものは何だったのか。天下万民の幸福を心から願い続けた孤高の智将の生涯を描く。
著者等紹介
嶋津義忠[シマズヨシタダ]
1936年、大阪生まれ。1959年、京都大学文学部卒業、産経新聞入社。化学会社代表取締役社長を経て、作家に
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感想・レビュー
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