内容説明
221年、関羽を欺いて殺した陸遜に対し、復讐に燃える劉備軍は、大軍を擁して呉に進撃する。奴涛の勢いで迫り来る蜀軍。迎え撃つ陸遜は、勢い盛んな蜀軍との全面対決を避け、持久戦に持ち込んだ。対峙すること約半年。ついに陸遜はかねてより計画していたある作戦を実行する…。本書は、孫権に信頼され、呉の安定に力を尽くした名将の、知られざる生涯を描いた歴史小説である。
著者等紹介
太佐順[タサジュン]
1937年鹿児島県生まれ。週刊誌記者、PR誌編集、出版社などに勤務。「新潮」「すばる」他の文芸誌に作品を発表。「李刊芸術」に発表した『父の年輪』で芥川賞候補
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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maito/まいと
21
三国志の時代、呉の創設期最後の参謀、陸遜の生涯を描く歴史小説。陸遜と言えば、関羽への奇襲や、劉備への火攻めが有名だが、この小説では呉の建国後から物語が始まり、若き頃の話を挟んで、晩年の悲劇へとつながっていく構成。あまり注目されていないけれど、孫家と親戚なのですね、知らなかった(驚)縁戚関係が注目されないほど、実力で名を後世に残した陸遜は、鮮やかな立ち振る舞いのイメージとは異なり、かなり我慢強く勝機を待つ姿勢が印象的。報われない最期に関しては、著者独自の解釈が盛り込まれ、さらに切ない結末へ・・・(涙)2013/05/31
MIKETOM
7
主家に限りない忠誠を誓いながら報われなかった悲劇の軍師ってのが三国志にはわずかながら出てくる。田豊、荀彧、そしてこの陸遜。孫権に対して忠誠を誓い、呉の危機を何度も救い、孫権も陸遜に対しては絶大な信頼を寄せ、周瑜、魯粛、呂蒙といった歴代の軍師が次々と早死にする中でいわば呉の屋台骨を支え続けた立派な憂国の士だった。にも拘わらず…。あまりにも低俗でありふれた出来事、跡目争いで次男派と三男派に分裂し、陸遜はあくまで正当な諫言をするのだがなぜか孫権はこれを流罪という形で切り捨ててしまった。こうして呉は一気に→2024/11/05
sayan
5
水滸伝ははるか昔に読んだ記憶があるけれど、三国志(話の流れ)は、あまりなじみがなくて・・・、正直本文中にでてくる名前をおっかけるだけで一杯一杯だった。もうちょっと全体構造が分からないと面白さも全く味わえないなと・・・、冬は三国志を少し読んでみたいと思う。2015/12/16
BIN
2
呉の4代目軍師、陸遜を描いた作品。あとがきによると正史と演義の中間くらいを目指して書かれたみたいだけど、演義の呉は影が薄いので、あまり知られていない内容が多かったと思う。従祖父である陸康や呉のマイナー武将も結構登場しており、個人的にも新鮮な感じがした。幹部クラスは孫家も含めてどれも縁続きでびっくりです。孫権の耄碌っぷりが酷いな、孫登さえ長生きしてくれたら。陸遜自身よりその周りの方がより気になりました。2015/03/08
唯菜望
2
孫策・孫権兄弟に翻弄された男の一生。「二宮の変」へと巻き込まれていく様が読んでいてとても辛くなる。
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