出版社内容情報
幕末日本の舵取りを担った名君の闘いを活写!
「幕末四賢侯」の一人に数えられる福井藩主・松平春嶽。徳川慶喜と力を合わせ、時代の流れと闘い続けた男の生涯を活写した力作長編。
黒船来航を機に徳川二百数十年の太平が揺らぎ、倒幕運動が高まりをみせた激動の時代、「幕末四賢侯」と呼ばれる4人の賢君が登場し、政局の中心にあって活躍した。土佐の山内容堂、薩摩の島津久光、宇和島の伊達宗城、そして越前福井藩・松平春嶽である(4人の選定には諸説あり)。
▼とりわけ本書の主人公・松平春嶽は、徳川親藩の藩主として最後の将軍となる徳川慶喜と協力、文久二年には政事総裁職として幕政改革に着手している。しかし倒幕への時代の流れはとどめること叶わず、大政奉還を経て、ついに鳥羽・伏見の戦いで幕府側は「朝敵」として敗れる憂き目に遭ってしまう。そのとき、春嶽の胸中に去来した思いとは――。
▼福井県出身の女流作家が、春嶽の少年時代から筆を起こし、同時代を生きた様々な英傑との関係を軸に、激動の只中を歩んだその半生を描いた長編小説。著者ならではの想像力で、みずみずしい春嶽の人物像を見事造形した力作! 文庫書き下ろし。
●第1章 錦之丞
●第2章 少年藩主
●第3章 補佐役
●第4章 天保飢饉碑
●第5章 常盤橋上屋敷
●第6章 対立
●第7章 安政の大獄
●第8章 鮫洲土佐下屋敷
●第9章 丹巌洞
●第10章 水戸天狗党
●第11章 薩長同盟
●第12章 大政奉還
●第13章 さらば慶喜
内容説明
徳川御三卿の田安家に生まれ、11歳で福井藩主となった松平春岳。だが英邁の誉れ高きかれに、大藩の殿様としての安逸はない。幕末の動乱が始まると、徳川慶喜とともに政局の只中に身を投じていく。やがて国事に奔走する春岳を待ち受けていたものは―「幕末四賢侯」と称えられた名君の半生を、同時代を生きた英傑たちとの関係を軸に、著者ならではの視点で活写した力作小説。
著者等紹介
中島道子[ナカジマミチコ]
福井県三国町に生まれる。実践女子大学国文科卒業。日本ペンクラブ会員。明智光秀顕彰会副会長(大津市)。武蔵歴史フォーラム会長(川越市)
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