出版社内容情報
日本外交の栄光を支えた昭和前期の外交官群像。
日華事変から真珠湾攻撃、そして敗戦へ……。大日本帝国の滅びの叙事詩を描く運命を担った、昭和前期の外交官群像を活写した長編評論。
満洲事変から真珠湾、そして敗戦へ……。大東亜戦争によって大日本帝国は灰燼に帰した。幣原喜重郎外相退陣以降、敗戦にいたるまでの、この14年間、日本の外交をリードしたと言える人物はいない、と著者は言う。歴史に「もし」はないが、その間、もし陸奥宗光・小村寿太郎・幣原喜重郎のような練達の外交官が、長期間、責任を持たされて、わが国の外交を担っていたとしたら、歴史はまた別の結末を迎えていたかもしれない。
▼本書は、長期的な戦略も情勢判断もなく、戦争への道を歩み出し、ついに苦渋の選択をするにいたった、大日本帝国の「滅びの叙事詩」を描いた、長編歴史評論である。
▼だれも英雄でないこの14年間を、これまでのこのシリーズのように、個人の伝記の形式で描くのは不可能なことである。本書が徹底して個人的な解釈を廃し、歴史の事実を忠実に追うことで敗戦までの道のりを描かざるを得なかったのは、まさにそういう事由によるためである。
●序章 歴史の真実
●第1章 満洲国承認
●第2章 連盟脱退と満洲国建国
●第3章 最後の平和
●第4章 二・二六事件
●第5章 迫り来る戦雲
●第6章 盧溝橋事件
●第7章 南京占領
●第8章 泥沼へ
●第9章 三国同盟の締結
●第10章 破滅的な松岡洋右外交
●第11章 真珠湾へ
●第12章 栄光に酔った六カ月
●第13章 大東亜共栄圏
●第14章 敗戦の教訓
●第15章 滅びの叙事詩
●第16章 もう、やめねばならない
内容説明
幣原退陣から敗戦に至るまでの14年間、日本の外交をリードしたといえる人物はいない。歴史に「もし」はないが、その間、陸奥・小村・幣原のような練達や外交官が長期間、責任を持たされて外交を担っていたならば、日本はどうなっていただろうか。本書は長期的な戦略も情勢判断もなく戦争への道を歩み出し、ついに苦渋の選択をするに至った、大日本帝国の「滅びの叙事詩」を描いた長編歴史評論である。
目次
歴史の真実―現在生きている人間の価値観だけで歴史は書けない
満洲国承認―石原莞爾の鬼謀によって満洲はたちまち制圧された
連盟脱退と満洲建国―国家社会主義や五族協和という理想を満洲に夢見て
最後の平和―満洲事変は収まり日中関係改善のチャンスが訪れた
二・二六事件―昭和十年、十一年、日本国内の潮流は大きく変った
迫り来る戦雲―昭和十年、十一年、アジアも欧州も大きく変化した
盧構橋事件―中国側に対日抗戦の時機が来たとの雰囲気が漲った
南京占領―外交手段による事態収拾の努力は懸命に続けられた
泥沼へ―事変勃発後の世論は政府の強硬態度を強く支持した
三国同盟の締結―日・独・伊三国の枢軸同盟を最後まで拒否した人たち〔ほか〕
著者等紹介
岡崎久彦[オカザキヒサヒコ]
1930年大連生まれ。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格し外務省に入省。1955年ケンブリッジ大学経済学部学士及び修士。在米日本大使館、在大韓民国大使館などを経て、1984年初代情報調査局長に就任する。その後も駐サウジアラビア大使、駐エイメン大使を務め、1988年より駐タイ大使。1992年退官。現在は岡崎研究所所長。著書に『隣の国で考えたこと』(中央公論社、日本エッセイストクラブ賞)、『国家と情報』(文芸春秋、サントリー学芸賞)、など多数
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