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西洋音楽から見たニッポン―俳句は四・四・四

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  • サイズ B6判/ページ数 271p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569659541
  • NDC分類 762.1
  • Cコード C0030

出版社内容情報

日本人の音楽感性は、かくも精妙で複雑である。

日本人の音楽感性はかくも精妙にして複雑で、西洋音楽の原理はかくも粗雑で単純である! 音楽文化を通じて語る、異色の日本人論。

雪は静かにしんしんと降り積み、夜は静寂に包まれている――。こうした雪の持つ「音のない世界」を表現するために、日本人は、低く、くぐもった「ドン・ドン・ドン」という太鼓の連打を発明した。きわめて無機的に、機械的な単調さで、平坦に鳴らされるその音は、音を使って、「音のない静寂の空間」を心の中に出現させてくれる。「音のない世界を、音で描く」という発想は、西洋人の合理主義からはけっして生まれてこない。すべては東洋人の直観ないし直感の賜物である――と著者は説く。

▼西洋音楽に代表される西洋的思考と、日本語や日本音楽の持っている土壌が、いかに違うか。詳しくは本書における著者の精緻な論考に譲るが、結論的に言えば、両者はあまりにも違う土壌の上に咲いた文化であり、同一の精神構造で捉えるのは困難だということである。だが、その事実を本書の読者は確認すると同時に、日本語の美しさと日本人の感性の豊かさを再発見するだろう。

●第一章 俳句は四・四・四 
●第二章 五・七調か 七・五調か 
●第三章 四字読みの謎 
●第四章 音楽に国境はある 
●第五章 ヒュー・ドロン・パッ 
●エピローグ 

内容説明

音楽を通じて再発見する日本語の美しさと日本人の感性。第13回山本七平賞受賞著者による斬新な日本人論。

目次

第1章 俳句は四・四・四
第2章 五・七調か七・五調か
第3章 四字読みの謎
第4章 音楽に国境はある
第5章 ヒュー・ドロン・パッ
エピローグ

著者等紹介

石井宏[イシイヒロシ]
昭和5年12月東京生まれ。旧制静岡高等学校を経て、東京大学文学部美学科ならびに仏文科卒。著書に、『反音楽史―さらば、ベートーヴェン』(新潮社)、第13回山本七平賞受賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蘭奢待

11
西洋音楽、特にクラシックの世界の音楽と、日本の音楽の比較論。その解釈は非常に斬新で面白い。俳句、短歌の57577は68688、ひいては4444だという。休符を勘定すると前者に、また、ワード読みにすると後者になるという。また、現代音楽家の意味不明さとともに、日本人らしい解釈が腑に落ちる。2018/08/26

とりもり

2
俳句が五七五ではなく四四四ってなんのこっちゃと思ったが、確かに俳句を読むときは音を伸ばして一拍置くようにするので「なるほど」と思った。その意味で四拍子がリズム感の元なのかも。その他にも、音の強弱によって一つ一つの音を切って発音する西洋式と、音を繋げて発音する日本式という考察も、最近よく聞く車内アナウンスの棒読み英語なんかを思い浮かべて非常に納得感があった。でも、何故かエピローグは謝罪を巡る政治批判の内容で、違和感あり。土下座外交はみっともないが、本書の内容と無関係で不要。★★★☆☆2023/07/17

イガラシ

2
俳句の五七五はとても語呂が良いと思っていたけど、結局は四拍子なんだね。休符というのはあまり意識しないけど、譜面上にはちゃんと存在していて、それ自体も大切な音楽の要素。調子の良いリズムというのは決まっているのだろう。他にも秋という季節に対する日本人と西洋人の考え方の違いとか、外交のことなどは面白かった。2013/12/17

てぃーち

2
★★★★★ 面白い!音楽的な観点による比較文化論。資料として挙げられてるクラシックから現代音楽、古典文学等の作品への素養があるとより面白いだろう。2007年刊行の本だが、最終章で友愛政治を具体的に批判しているのには苦笑するしかない2009/12/12

aoi

1
日本の文化に対する誤った認識や見過ごしていることを知れた。抽象的な考察自体がおそらく輸入されたものだから仕方ないのかもしれないが、西洋の枠に当てはめて考えるという方法が国家レベルで行われているのは、日本の文化にとっては大打撃だろう。 音声学や音楽構造については描写がまどろっこしく感じたが、専門外の人も読む読みものとしては良い加減。2014/07/03

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