出版社内容情報
日本人の音楽感性は、かくも精妙で複雑である。
日本人の音楽感性はかくも精妙にして複雑で、西洋音楽の原理はかくも粗雑で単純である! 音楽文化を通じて語る、異色の日本人論。
雪は静かにしんしんと降り積み、夜は静寂に包まれている――。こうした雪の持つ「音のない世界」を表現するために、日本人は、低く、くぐもった「ドン・ドン・ドン」という太鼓の連打を発明した。きわめて無機的に、機械的な単調さで、平坦に鳴らされるその音は、音を使って、「音のない静寂の空間」を心の中に出現させてくれる。「音のない世界を、音で描く」という発想は、西洋人の合理主義からはけっして生まれてこない。すべては東洋人の直観ないし直感の賜物である――と著者は説く。
▼西洋音楽に代表される西洋的思考と、日本語や日本音楽の持っている土壌が、いかに違うか。詳しくは本書における著者の精緻な論考に譲るが、結論的に言えば、両者はあまりにも違う土壌の上に咲いた文化であり、同一の精神構造で捉えるのは困難だということである。だが、その事実を本書の読者は確認すると同時に、日本語の美しさと日本人の感性の豊かさを再発見するだろう。
●第一章 俳句は四・四・四
●第二章 五・七調か 七・五調か
●第三章 四字読みの謎
●第四章 音楽に国境はある
●第五章 ヒュー・ドロン・パッ
●エピローグ
内容説明
音楽を通じて再発見する日本語の美しさと日本人の感性。第13回山本七平賞受賞著者による斬新な日本人論。
目次
第1章 俳句は四・四・四
第2章 五・七調か七・五調か
第3章 四字読みの謎
第4章 音楽に国境はある
第5章 ヒュー・ドロン・パッ
エピローグ
著者等紹介
石井宏[イシイヒロシ]
昭和5年12月東京生まれ。旧制静岡高等学校を経て、東京大学文学部美学科ならびに仏文科卒。著書に、『反音楽史―さらば、ベートーヴェン』(新潮社)、第13回山本七平賞受賞など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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