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原理主義から世界の動きが見える―キリスト教・イスラーム・ユダヤ教の真実と虚像

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  • サイズ B40判/ページ数 289,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569655772
  • NDC分類 190
  • Cコード C0214

出版社内容情報

キリスト教、イスラーム、ユダヤ教の比較分析。

国際情勢を左右する三つの一神教を比較分析。テロリズムと同一視される原理主義を軸に、現代世界が抱える緊張に満ちた力学が明らかに。

9・11から丸五年。「原理主義」は独善的・排他的・好戦的なテロ集団との負のイメージで語られる。しかし、原理主義はほんとうに悪の根源なのか?

▼ますます激化する宗教間紛争や宗教内対立。欧米とイスラーム、あるいはイスラエルの間には、乗り越えがたい「原理」の壁がある。宗教に疎い日本人には、多神教の寛容さを礼讃し、一神教の冷酷さを批判する風潮があるが、それほど安直な図式ではもはや世界の動きは読み解けない。

▼国際情勢を左右する三つの一神教を比較分析、時代を見る目を養う原理主義理解の決定版。


[内容](1)なぜいま「原理主義」を問うのか?―原理主義と一神教によって開かれる問題の地平(小原克博) (2)
[座談会]日本人にとっての原理主義 (3)キリスト教と原理主義―変遷する原理の過去と未来(小原克博) (4)イスラームと原理主義―歪められた実像(中田 考) (5)ユダヤ教と原理主義―シオニズムの源流を求めて(手島勲矢)

●はじめに ――「原理主義」に向けられる現代人の眼差し 
●第一章 なぜいま「原理主義」を問うのか? ――原理主義と一神教によって開かれる問題の地平 小原克博 
●第二章 
[座談会]日本人にとっての原理主義 
●第三章 キリスト教と原理主義 ――変遷する原理の過去と未来 小原克博 
●第四章 イスラームと原理主義 ――歪められた実像 中田 考 
●第五章 ユダヤ教と原理主義 ――シオニズムの源流を求めて 手島勲矢

内容説明

9・11から丸五年。「原理主義」は独善的・排他的・好戦的なテロ集団との負のイメージで語られる。しかし、原理主義はほんとうに悪の根源なのか?ますます激化する宗教間紛争や宗教内対立。欧米とイスラーム、あるいはイスラエルの間には、乗り越えがたい「原理」の壁がある。宗教に疎い日本人には、多神教の寛容さを礼讃し、一神教の冷酷さを批判する風潮があるが、それほど安直な図式ではもはや世界の動きは読み解けない。国際情勢を左右する三つの一神教と比較分析、時代を見る目を養う原理主義理解の決定版。

目次

第1章 なぜいま「原理主義」を問うのか?―原理主義と一神教によって開かれる問題の地平(「一神教」を理解するための基礎知識;「原理主義」を理解するための基礎知識)
第2章 座談会 日本人にとっての原理主義
第3章 キリスト教と原理主義―変遷する原理の過去と未来(「原理主義」に対する現代的理解;「原理主義」が生まれる歴史的な背景;社会に認知される「原理主義」;福音派と宗教右派;原理主義の過去と未来―変遷する原理)
第4章 イスラーム原理主義―歪められた実像(「イスラーム原理主義」という概念;「ウスーリーヤ(原理主義)」と「ウスール学派」
イスラームにおける権威の構造
イスラームにおける「聖典」―クルアーンとハディース
「イスラーム原理主義」再考)
第5章 ユダヤ教と原理主義―シオニズムの源流を求めて(ユダヤ学の文脈から「原理主義」を読み解く;預言の終焉と聖典の成立―ユダヤ教における原理の誕生;シオニズムの源流―ふたたび「祈り」から「行動」へ)

著者等紹介

小原克博[コハラカツヒロ]
1965年生まれ。同志社大学神学部卒業、同大学院神学研究科博士課程修了(神学博士)。同志社大学神学部・神学研究科教授。同志社大学一神教学際研究センター(CISMOR)幹事、京都・宗教系大学院連合事務局長も務める。専門はキリスト教思想、比較宗教倫理学。近年は、宗教と紛争の関係や宗教間対話の再考などを研究課題としている

中田考[ナカタコウ]
1960年生まれ。東京大学文学部イスラム学科卒業、同大学院人文科学研究科宗教学・宗教史学修士課程修了、カイロ大学文学部哲学科博士課程修了(Ph.D.)。在サウジアラビア日本国大使館専門調査員などを経て、同志社大学神学部・神学研究科教授、CISMOR幹事。専門はイスラーム政治思想。イスラームの教義と現代社会におけるその展開を研究課題としている

手島勲矢[テシマイザヤ]
1958年生まれ。83年エルサレム・ヘブライ大学ユダヤ思想学科・聖書学科卒業。97年ハーバード大学大学院近東言語・文明学部博士課程修了(Ph.D.)。同志社大学大学院・神学研究科教授。専門は聖書(文献)学、ユダヤ思想の歴史的展開。とくに中世ユダヤ教の聖書解釈、旧約聖書の本文批評とヘブライ語文法の歴史、クムラン文書などを研究課題とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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amanon

2
日本という一神教の文化が根付いていない国でだからこそ誕生し得た一冊。そういういわば「間にある」という特性を日本は今後もっといかすすべきではないか?とふと思わされた。それはともかくとして、普段何気なく使われている「原理主義」という言葉もその文脈によって、かなり意味合いが異なるという事実にちと驚き。その辺りを明確にしないまま垂れ流しているマスコミの責任は相当に重いのではないか?そして、その姿勢は本書でも度々言及されている「多神教=寛容」「一神教=不寛容」という安易な図式と根を同じくしているように思われる。2015/03/21

amemosky

0
”原理主義”はもともとキリスト教原理主義を指す言葉で、西洋近代合理主義に抗して「聖書の教えの原点に戻れ」つう宗教運動。それが政治化して米では保守の大票田になってるけど、進化論教育禁止とか、科学否定するよな頑迷さを揶揄する意味も含むようになる。 それを事情のまったく異なるイスラム世界に当てはめようとしても無理だし。西洋側に不都合な勢力に「イスラム原理主義」ってレッテル貼りしてるだけじゃん。と中田考さんは言いたいみたいよ。2006年刊行だけど、現在もその辺の状況は変わってないので大変参考になりました。2015/03/05

RuiRui

0
基本に立ち返る、そんなレベルならかわいげもあるが、という印象。十把一絡げにまあ原理主義の言葉を使うのもどうなんかね、というとこはあるんだろうけども。考えようによってはガンディーの非暴力も原理主義と。なにごともmiddle way、ほどほどが肝要ですかね。2015/01/07

可兒

0
著者に中田考の名がある時点で「あーあ」と思ったが、予想したよりは大丈夫でした2010/06/17

Shuhei Tatsumi

0
著者3名と森氏に、面識がある者の感想です。 本の構成としては座談会形式の部分もあり、対話を取る形となっているのが、宗教間対話を思い浮かばせ、先進的です。 これだけ優れた学者を集め、本音で語るのは大変なはずです。 この点は国内屈指の宗教研究機関、同志社ならではの業でしょうか。 この手の書籍で、日本の内面、さらには現在の私自身の内面にまで語りかけ、考察することを促される良書はなかなかないと思います。 やはり日本だからできることがある、果たすべき役割があると、振り返ることができました。 文章は平易です。2007/05/10

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