出版社内容情報
台湾問題を含め、日米中の衝突を予見する。
歴史的宿命である台湾と中国の衝突は、日米をも巻き込み、軍事衝突の可能性さえ喚起する。軍事大国化する中国への警告の書。
2005年3月、中国は「反国家分裂法」で台湾独立を牽制した。一方、2006年2月、台湾の陳水偏総統は、「国家統一綱領」を廃止した。台湾と中国との対立の図式が、鮮明になってきた。
▼戦後60年、平和が長く続いた日本人にとって、国共分裂や台湾の歴史など目をそむけたい問題かもしれない。だが、台湾問題が引き金となって台中衝突、日中衝突、さらには米中衝突と連鎖していくシナリオは、可能性としてゼロではない。
▼軍備の近代化を急ぐ中国は、周辺海域へ触手を伸ばし、軍事的にも巨大化している。軍事力を背景に「統一を強要する中国」と「統一を拒否する台湾」が衝突すれば、日米はどう対応するのか。さらに、中国の覇権主義はいずれアメリカの覇権主義とぶつかるかもしれない。
▼巨大市場としての中国の動向だけでなく、その政治的、歴史的な方向性をいま改めて考える必要がある。日本にとっても決して他人事ではない。
●第1章 戦争に活路を求める「中国の軍国主義」 (1)社会主義からファシズムへと変質する中国 (2)もはや誰も否定できない「中国脅威論」 (3)大アジア新秩序構想に向けて進む中国 (4)中国の対外武力侵攻の時期に迫る
●第2章 歴史的宿命としての台湾・中国の対立 (1)「台湾は中国の神聖不可分の固有領土」は根拠なき大虚構 (2)有史以来つづく「海の台湾」vs「陸の中国」の宿命的対立 (3)台湾が主権国家であることは誰も否定できない (4)誤解される「台湾独立」の真義 (5)中国人とは文明共有できない台湾人――衛生観念の格差から
●第3章 台湾と中国の最終戦争は避けられるか (1)台湾人にかくも残酷な中国人の精神構造 (2)「統一」を拒否する台湾と「統一」を強要する中国 (3)武力併合しか考えられない中国文明の限界(4)台中戦争は世界を揺るがす第二の日露戦争となる
●第4章 「中国の属国化」という日本の危機 (1)日本を「朝貢国」と見なしたがる中国の伝統的思考 (2)ここまで進行している中国の日本属国化戦略 (3)見落とされている反日の根幹としての「台湾問題」 (4)李登輝による日本覚醒に狼狽する中国
●第5章 中国ファシズムは日本に戦争を挑発する (1)なぜ中国のファシズム化に注目しないのか (2)中国は日本との戦争を本気で望んでいる (3)中国は日本挑発を絶対にやめない (4)このままで日本は対中戦争に勝てるのか
●第6章 日米台が突きつけられる「三国同盟」の選択 (1)米中対立問題としての「台湾海峡問題」 (2)世界秩序構築を「民族の使命」とする中国覇権主義 (3)台湾併合で海洋制覇を狙う中国の戦略 (4)中国の脅威を前に国家利益を共有する日台 (5)台湾有事で迫られる日本の最終選択 (6)中国接近を望む在台中国人の反日化の動き (7)台湾との軍事同盟なくしてアジア・太平洋は守れない
●第7章 米中戦争という最終目標に突き進む中国 (1)「中国の脅威」がもたらすアメリカの危機感 (2)弱さを自覚しない中国軍暴走の危険性 (3)「平和的」どころか最も危険な中国の核感覚
内容説明
2006年2月、台湾の陳水扁総統が、「中国統一」の方法を研究する政府の諮問機関、国家統一委員会と、そこで可決された「国家統一綱領」を廃止した。中国は当然反発。対立はますます深まっている。はたして中国の真の狙いは何か。中国は軍備の近代化を図るとともに、軍事費を年々増やし、周辺海域へ勢力を拡大しようと虎視眈々と狙っている。台湾併呑をめざす中国の軍事面、経済面での巨大化は止まらない。軍事的衝突があれば、当然、日米も巻き込まれる。中国の覇権主義はいずれアメリカとの衝突を引き起こすのではないか。
目次
第1章 戦争に活路を求める「中国の軍国主義」
第2章 歴史的宿命としての台湾・中国の対立
第3章 台湾と中国の最終戦争は避けられるか
第4章 「中国の属国化」という日本の危機
第5章 中国ファシズムは日本に戦争を挑発する
第6章 日米台が突きつけられる「三国同盟」の選択
第7章 米中戦争という最終目標に突き進む中国
著者等紹介
黄文雄[コウブンユウ]
1938年台湾生まれ。64年に来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。中国、東アジアに対する評論が多く、その分析力は高く評価されている。94年台湾ペンクラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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