内容説明
幼女誘拐殺人、強姦殺人、親殺し、子殺し、一家惨殺など、世間を震撼させる凶悪かつ猟奇的な事件。犯行の動機は何か。なぜそこまで残虐になれるのか。どうすれば防げるのか―。犯罪精神医学の専門家が、異常人格者の素顔に迫る。とりわけ、現代特有の「快楽殺人」「ストーカー殺人」「ひきこもり青年の殺人」などを分析。精神鑑定の経験から、誤認著しいメディアの報道を糺す。また、パーソナリティ障害と犯罪の関連を整理し、普通の人が殺人犯となる可能性も示唆する。現代人の歪んだ欲望の深層を抉る書。
目次
序章 なぜ人は人を殺すのか
第1章 昔の犯罪、今の犯罪
第2章 犯罪における殺人者の位置づけ
第3章 殺人の分類と事件簿
第4章 殺人の起源
第5章 パーソナリティ障害と殺人
第6章 殺人者の責任―「殺人者精神病」をめぐって
著者等紹介
作田明[サクタアキラ]
1950年、千葉県市川市生まれ。精神科医。専門は犯罪心理学、病跡学。東京大学精神医学教室、ロンドン大学附属精神医学研究所、八王子医療刑務所、市原学園(少年院)医務課長などを経て、北所沢病院理事長。聖学院大学非常勤講師など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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カッパ
20
いちばんびっくりしたのは統計的には今も昔も大きく殺人の量も質もあまり、かわらないということである。殺人は社会や感情のトラブルから起こることも多いわけである。とはいえ、快楽殺人などに走る人も怖いと思う。衝撃的ではあるがなぜということには興味を持ち続けたい。2018/07/27
寝落ち6段
4
犯罪精神医学の第一人者である著者による現代の殺人事件に対する精神医学の最先端を紹介している。現代の方が凶悪犯罪の数は減っているのは確かであり、昔から猟奇的な事件もあった。我々一般人がメディアを通してでないと事件を知ることができない現状が問題であるなど、提起されている内容も濃い。何が原因で殺人を犯すのか、それは誰にでも起こりうることである。その認識を持たねばならない。2014/02/27
おらひらお
3
2005年初版。犯罪精神医学を専門とする著者による殺人論です。まず、現代が特別、殺人が多くないことを指摘し、予算の増加を狙うある省庁がマスコミの扇動を放置しているとの指摘もありました。一市民の立場から見ると、防犯カメラの異常な増加が気になりますね。国内には目が届かないところがないと感じるぐらいカメラがありますね~。結論としては大幅に殺人件数を削減することは不可能という見解ですが、様々な事例や犯罪者の類型化も行ってあり、興味深く読むことができた一冊です。2013/10/06
あおさわ
2
現代における殺人事件を事件の種類、犯人の種類ごとに分析。わかりやすかったし著者の意見は偏狭な思考もなく、事実を事実として読みやすく受け入れやすかったです。2012/09/08
新橋九段
1
中身の粗雑さはあるが、当時の犯罪観の資料として。2022/11/29