ほんとうは、どうなの?―原子力問題のウソ・マコト

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  • サイズ B6判/ページ数 179p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569640693
  • NDC分類 539
  • Cコード C0030

出版社内容情報

原子力発電の将来を考える国民必読の書。

核燃料サイクルの推進なしに日本は今後もエネルギーを安定供給できるのか。有識者との対談を通して、原子力問題の本質に迫る。

直径5ミリ、高さ8ミリの円柱の「プルトニウム燃料」1個でどれくらいの電力がまかなえるか、ご存じだろうか。なんと標準家庭4カ月分の電力が供給できるのである。原子力発電のためにウランを燃やすが、じつは実際に燃える部分は5%ほど。そこでウランの「燃え残り」からリサイクルによってプルトニウムを取り出して再利用しようというのが、わが国の方針である。そのプルトニウムを取り出す施設が青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場だが、施設が完成期を迎えつつあるときに、「怪文書」が流れた。ウランの「燃え残り」を再利用するより、そのまま埋めてしまったほうが国民負担が軽いという趣旨である。なぜ、そんな「怪文書」が出たのか。国策と決まったものをいまさら変更すべきなのか。原子力発電の現場を数多く見てきた著者が、専門家に話を聞いて回り、日本を騒がせている核燃料サイクル問題の核心と本質を問いただしたのが本書である。

●第1章 原子力開発に「待った」なし 
●第2章 核燃料サイクルの火を守れ 
●第3章 母と子の原子力教室 
●第4章 世界の原子力発電所を見て 
●第5章 リサイクルは決定済みである 
●第6章 日本の選択は間違っていない 

内容説明

プルトニウム燃料1個で…標準家庭4カ月分の電力がまかなえる。プルトニウムを取り出す施設が青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場である。その施設が完成期を迎えつつあるときに、突然「待った」がかかった―日本の原子力発電を根底からゆさぶるような怪文書が出た理由を明らかにすべく、著者は専門家に話を聞いて回った!日本を騒がせている核燃料サイクル問題の核心と本質を問いただす!中曽根康弘、殿塚猷一、有馬朗人、竹村健一、加納時男、与謝野馨、各氏との対談を収録。

目次

まえがき 黒部ダムを訪ねて
第1章 原子力開発に「待った」なし―経済産業省よ、目先の損得に囚われず「国策」を推進せよ(対談・中曽根康弘)
第2章 核燃料サイクルの火を守れ―原子力発電の未来を脅かす「悪質の怪文書」に物申す(対談・殿塚猷一)
第3章 母と子の原子力教室―電力の供給を風力や太陽熱で代替できる日は来ない(対談・有馬朗人)
第4章 世界の原子力発電所を見て―危険がまったくない文明の利器などありえない(対談・竹村健一)
第5章 リサイクルは決定済みである―日本のエネルギー政策は微動だにしない(対談・加納時男)
第6章 日本の選択は間違っていない―プルトニウムは資源のない国の貴重な財産だ(対談・与謝野馨)
補章(六ヶ所村を訪ねて;美浜発電所のトラブルについて)

著者等紹介

上坂冬子[カミサカフユコ]
1930年、東京生まれ。1959年、『職場の群像』で第一回中央公論社思想の科学新人賞を受賞したのを機に文筆活動をはじめ、以後ノンフィクション作家として執筆活動に専念する。1993年度菊池寛賞、正論大賞を受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きるきる

11
あの上坂さんが、原発大賛成派だったなんて!!びっくり!!すごい女傑だと尊敬してたのにな。賛成はいいけど、その賛成の仕方がまたもう感情的だし、リスクや反対派の意見に関して一言も触れてないし、もうただただびっくり。中曽根におべっか使ってたのも悲しかった。「われわれ選ばれたエリートは無知な庶民を善導せねば」みたいな態度も腹立たしかった。特に、原発の建設認可権をたかが一地方の首長に任せるのなんておこがましい!国策の是非をたかが一地方が決めるなんて!って憤慨してたのがほんとにもう。幻滅。2011/06/02

更紗蝦

7
笑っちゃうくらい原発をヨイショしている本です。まえがきで水力発電を引き合いに出して原子力発電を賛美していますが、なぜか火力発電は無視。 核燃料サイクルについて、「日本の将来に必要なものは、いくら経費をかけても完成させねばならない。」(12p)と書いていますが、いくら経費をかけても解決しない問題(=放射性廃棄物の処分)は? 「自分は中立である」と言うわりには、内部告発の中身をきちんと吟味しないで怪文書扱いしているのには、呆れるばかりです。2011/06/13

ピエール

6
皆さんの感想にもあるように、タイトルから当然原子力について賛否両論を取り上げた内容だと思って読んだのですが、推進派の意見だけを羅列したあまり価値のない本です。必要なものはどんなにコストがかかっても導入するべきというのは理屈になっていませんよね?どんなものでも、すべてコストと得られる便益との兼ね合いで導入するのですから。インタビューに出ている有馬さんというのは、かの悪名高き「ゆとり教育」を導入した張本人ではありませんか?本の中では子供たちに東大教授自ら理科を教えるとても良いおじさんと紹介されていますが・・。2013/03/11

ねええちゃんvol.2

5
★ 著者と原発推進派(中曽根康弘、竹村健一、与謝野馨など)との対談。原発は安全!原発はすばらしい!って話。もんじゅは「事故」ではなく「トラブル」だと。(ものはいいようですな。) タイトルは変えたほうがいいですね。2011/07/20

らり

5
みなさまの感想に同じく。最終的に原発推進の考えになるとしても、もう少し、上坂さんの鋭い質問やツッコミがあると思っていたのですが、対談のお相手以上に上坂さんが原発推進論をリードしているような雰囲気も。。; 上坂さんが今、いらしたら311以降の日本を、原発をとりまく状況を、どのように感じたのか?想像してしまいます。2011/07/17

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