出版社内容情報
太平洋戦争に臨んだ山本の心境を追求する。
太平洋戦争の戦局展開を見通していたと伝えられる山本五十六。彼は何を見つめ、いかなる行動をとろうとしていたのかを追究する。
太平洋戦争当時、開戦にあくまでも反対し続けた軍人──それが本書の主人公、山本五十六である。パールハーバー奇襲作戦を立案したのも山本なら、敢行したのも山本だったが、実は、その張本人が誰よりも戦争回避を強く願い、戦争の愚を公言してはばからなかった。避けたかった戦争の口火を、自らが切らねばならなかった歴史の皮肉。山本五十六の心中は、いかなるものだったろうか。本書は、山本自身の手紙や声、周囲の人たちの証言といった数々の資料を丹念にたどりながら、彼の心情をいまに掘り起こす。大艦巨砲主義の終焉を見通していた戦争観、冷静に日米関係を捉えていた国際関係観、陸軍とは一線を画していた軍人観など、男の胸中に肉迫するとき、「俺たちと同じ過ちは繰り返すな!」という山本五十六の悲しい叫びが読む者を揺さぶる。戦後、60年を経てなお、世界で争いが絶えない現在、私たちは改めて山本五十六の思想と行動に触れるべきではないか。
●第1章 パールハーバー奇襲と山本五十六
●第2章 “戦艦嫌い”はどこまで本当だったのか
●第3章 “戦争嫌い”はどこまで本当だったのか
●第4章 “陸軍嫌い”はどこまで本当だったのか
●第5章 “陸軍への抵抗”はどこまで本当だったのか
●第6章 人間・山本五十六に迫る
内容説明
戦争嫌いの司令長官がいた!国全体が雪崩を打って戦争へと向かうなか、冷静に己の意見を貫き続けた山本五十六。その人間像に肉迫した山本論の決定版。
目次
第1章 パールハーバー奇襲と山本五十六
第2章 “戦艦嫌い”はどこまで本当だったのか
第3章 “戦争嫌い”はどこまで本当だったのか
第4章 “陸軍嫌い”はどこまで本当だったのか
第5章 “陸軍への抵抗”はどこまで本当だったのか
第6章 人間・山本五十六に迫る
著者等紹介
森山康平[モリヤマコウヘイ]
1942年、満州国・奉天(現遼寧省藩陽)生まれ。週刊誌・月刊誌などの記者を経て、太平洋戦争研究会副代表
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