出版社内容情報
傑作に満ちた芸術大国日本の美の姿を探る。
日本美術は世界に先駆けていた!! 世界的価値ある法隆寺や秀作『源頼朝』像はどう見ればよいか? 傑作に満ちた芸術大国日本の美の姿を探る。
日本美術には世界に通用する傑作が数多く存在する。それらは西洋に先駆けて、人間の深い精神性を具現していた。
▼『モナ・リザ』の中性的な微笑を、遥か古(いにしえ)に表現した法隆寺『百済観音像(くだらかんのんぞう)』。ルネサンス初期に活躍したドナテルロよりも前に、「高貴なる単純と静謐なる偉大さ」を興福寺『阿修羅像』で体現していた将軍・万福。『ダヴィデ像』をしのぎ、深く静かな怒りをあらわにした国中連公麻呂(くになかのむらじきみまろ)の東大寺戒壇院『四天王像』。ピカソの400年も前に、『白象図』や『松図襖』など、大胆な構図で近代的な抽象画を描いていた、京都の町絵師・俵屋宗達。セザンヌが触発され、ゴッホが模写した北斎・広重らの浮世絵……。わが国には観る者を感動させる「傑出した美」が溢れている。
▼本書は、世界の名作に精通する著者が、日本の知られざる芸術作品を掘り起こし、見方はもちろん、作者の魂をいかに感じるかを説く。
●序章 傑作とは何か――世界にさきがけた日本の美
●第一章 法隆寺とパルテノン――「アルカイスム」の時代
●第二章 天平のミケランジェロ――「クラシシスム」の時代
●第三章 もののふのリアリズム――「バロック」の時代
●第四章 傑作の死と最後の光芒――「ジャポニズム」の時代
内容説明
日本美術には世界に通用する傑作が数多く存在する。それらは西洋に先駆けて、人間の深い精神性を具現していた。『モナ・リザ』の中性的な微笑を、遙か古に表現した法隆寺『百済観音像』。『ダヴィデ像』をしのぎ、深く静かな怒りをあらわにした東大寺戒壇院『四天王像』。セザンヌが触発され、ゴッホが模写した北斎・広重の浮世絵…。わが国には観る者を感動させる「傑出した美」が溢れていた。世界の名作に精通する著者が、日本の知られざる芸術作品を掘り起こし、見方はもちろん、作者の魂をいかに感じるかを説く。
目次
序章 傑作とは何か―世界にさきがけた日本の美(夏目漱石の肖像はなぜ額に手をあてているのか;日本文学を悲観した文豪の芸術批評 ほか)
第1章 法隆寺とパルテノン―「アルカイスム」の時代(聖像破壊の世紀に花開いた日本の「ほと・け」;日本人は仏像の「美しさ」を信じた ほか)
第2章 天平のミケランジェロ―「クラシシスム」の時代(「アルカイスム」から「クラシシスム」へ;奈良とフィレンツェに共通する美の根源 ほか)
第3章 もののふのリアリズム―「バロック」の時代(一つの戦火が日本の美の転換点となった;社会の激動を刻印する「怒り」の表現 ほか)
第4章 傑作の死と最後の光芒―「ジャポニスム」の時代(日本人の審美眼は「床の間」で磨かれた;西欧にさきがけた宗教美術の「終わりのはじまり」 ほか)
著者等紹介
田中英道[タナカヒデミチ]
1942年東京生まれ。東京大学文学部仏文科、同美術史学科卒業。ストラスブール大学に留学し、ドクトラ(博士号)取得。文学博士。現在、東北大学大学院教授。日本におけるヨーロッパ美術史研究の第一人者として、世界各地の学界で活躍。日本美術史研究においても斬新な論考を発表し、高い評価を得ている。2001年より『新しい歴史教科書をつくる会』会長を務める
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。