出版社内容情報
人間の創造性のひみつに脳科学者が迫る。
生きることは創造的であること。天才の特権というイメージ、コンピュータのアナロジーを越えて、創造性のひみつを脳科学者が探求する。
脳と創造性はどのような関係にあるのか。創造性とはそもそも何か――。
▼このような問いは、現代においてきわめて重要であるにもかかわらず、誰も正面切って論じようとはしなかった。創造性を天才の神秘のインスピレーションと見做したり、脳をコンピュータのアナロジーで考えるなど、様々な固定観念が立ちはだかっていたからかもしれない。
▼創造性の脱神話化、論理と直観、不確実性と感情、コミュニケーションと他者、感情のエコロジー、クオリアと文脈、一回性とセレンディピティ、個別と普遍。
▼以上のような切り口から、著者は、脳を単なる閉鎖系として扱うことなく、ダイナミックで予測不能なカオスとしての「生の現場」に切り込み、脳と創造性の秘密を探っていく。この世界で生命、人間、そして脳が創造性を発揮することの根っこに迫る。
▼養老孟司氏推薦! クオリア問題をライフワークとする著者の新境地。
●第1章 創造性の脱神話化
●第2章 論理と直観
●第3章 不確実性と感情
●第4章 コミュニケーションと他者
●第5章 リアルさと「ずれ」
●第6章 感情のエコロジー
●第7章 クオリアと文脈
●第8章 一回性とセレンディピティ
●終章 個別と普遍
内容説明
クオリアは、あくまでも私秘的な(プライベートな)体験である。その私秘的な体験が、逆説的ではあるが、個別を超えた普遍性を支える。確かに、自分の見ている赤と、他人の見ている赤が同じであるということを確認する術はない。しかし、意識の中で感じるクオリアこそが、私たちの生み出す様々な科学、文学、芸術上の作品の普遍性を担保するのである。その普遍性への根拠のない信仰を抜きにして、創造の苦しみに耐えることなどできない。
目次
第1章 創造性の脱神話化
第2章 論理と直観
第3章 不確実性と感情
第4章 コミュニケーションと他者
第5章 リアルさと「ずれ」
第6章 感情のエコロジー
第7章 クオリアと文脈
第8章 一回性とセレンディピティ
終章 個別と普遍
著者等紹介
茂木健一郎[モギケンイチロウ]
1962年東京生まれ。脳科学者。ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー、東京工業大学大学院客員助教授(脳科学、認知科学)、東京芸術大学非常勤講師(美術解剖学)。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了。理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て現職
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感想・レビュー
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愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
Naohiro Kobayashi
030314
Yudai