出版社内容情報
謎多き幕臣部隊の景色を奇才が鮮やかに描写。
坂本龍馬暗殺の実行犯とされる見廻組。この幕臣で組織された京都警備部隊の知られざる景色を、新選組との対比により鬼才が鮮やかに描く。
坂本龍馬暗殺の実行犯、謎多き見廻組の正体を鬼才が解剖する!
▼京都見廻組の史料はほとんど残されていない。四百名近くの組士を擁する組織であったにも関わらず、佐々木只三郎や今井信郎、桂早之助など、龍馬暗殺に関わった人物たちの履歴が僅かに伝えられるだけで、大部の研究書はなく、活動の詳細も分っていない。
▼本書は、今に遺される写真や肖像画を手がかりに、「歴画」という独自の手法で幕末の景色を描き続けてきた黒鉄氏が、限られた史料の点と点を結び、見廻組という集団の実態に迫るもの。
▼貴賎老少に関わらず召し抱えられた新選組。一方、旗本・御家人で組織された京都見廻組。同じ京の治安部隊として作られた二つの組織を比較しながら、幕末という特異な時代に若いエネルギーを費やした者たちの運命を、ときにコミカルに、ときにシュールに描き出していく。
▼見廻組をはじめて俯瞰的に捉える意欲作であり、黒鉄歴画の新たな挑戦である。
●旗本
●浪士組・新選組結成
●佐々木只三郎
●桂早之助
●渡辺篤
●今井信郎
●清河八郎暗殺
●見廻組結成 ほか
内容説明
見廻組VS.新選組。龍馬暗殺の実行犯、謎多き見廻組の正体を鬼才が解剖する。黒鉄歴画の新たな挑戦。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kino
3
ほとんど初耳だった見廻組という組織について知る。2011/09/23
紫
2
同じ著者の『新選組』に続いて読了。新選組とは違って伝記作者に恵まれず、人気も知名度もずっと落ちるこの人たち。注目は巻末の参考文献。菊地明先生の著書も当時はまだなく、今井信郎関連を除くと一冊まるごと見廻組の著書はまったくないという状況! 実は見廻組研究の上でパイオニア的立ち位置の一冊なのであります。断片的な記述を繋いで見廻組の実像を描き出そうとする黒鉄ヒロシ先生の御苦心が偲ばれますが、やっぱり情報不足のせいで、隔靴掻痒の感はまぬがれないのが残念。そして、桂早之助の孫がけっこうな大物学者でびっくり。星4つ。 2017/05/20
まりこ
2
京都見廻組は資料が少ないようで、この本でもよく分からない。新撰組と比べるとかなり真面目な印象。『幕末の景色の中に人として守るべき「義」は会津を中心として危うく面目を保つことができた』2013/11/27
愛理ちゃん88
1
黒紋付の集団「京都見廻組」、新選組と対比すると、もともとが武士であるので新選組ほどのハングリーさがなく、黒鉄氏の漫画の表現でも覇気がない。ただ、少ない情報のひとつひとつを丁寧に描いている黒鉄氏の努力はかんじることができる。2013/11/03