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人間は進歩してきたのか―現代文明論〈上〉「西欧近代」再考

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569631882
  • NDC分類 309.02
  • Cコード C0230

出版社内容情報

西洋的進歩史観の本質と「近代」の意味を問う。

西欧的な意味での近代は、私たちに光をもたらしたのか。国民主権、資本主義、個人主義など自明の価値体系から「進歩」の本質を問い直す。

「西欧近代とは何か?」。だれもが疑わなかった理想社会に齟齬が生じはじめた。その現実を前に、再認識を余儀なくされている「近代」の意味。

▼自由、平等、民主主義、市場経済……アメリカが掲げる輝かしい「文明」は、同時に形式的な官僚主義、空虚なニヒリズムを生み出した。信ずべき確かな価値を見失い、茫然自失する私たち。人類が獲得した果実ははたして「進歩」だったのか。

▼ホッブズ、ルソー、ウェーバーなど、近代を決定づけた西欧思想を問いなおし、現代文明の本質と危うさに真っ向から迫る新しい文明史観。教科書には決して書いていない近代史の流れを、行き詰まる現実を視野に洞察する。


[内容紹介](第1章)文明の捉え方(第2章)「確かなもの」の探求(第3章)「近代国家」とは何か(第4章)「人民主権」の真の意味(第5章)フランス革命とアメリカ独立革命(第6章)個人主義の起源(第7章)不安な個人の誕生(第8章)西欧進歩主義の壁

●第1章 文明の捉え方―進歩の思想と文明の衝突 
●第2章 「確かなもの」の探求―西欧近代の成立 
●第3章 「近代国家」とは何か―ホッブズの発見 
●第4章 「人民主権」の真の意味―ホッブズからルソーへ 
●第5章 フランス革命とアメリカ独立革命―異質な近代革命 
●第6章 個人主義の起源―マックス・ウェーバーと西欧近代 
●第7章 不安な個人の誕生―合理主義の行方 
●第8章 西欧進歩主義の壁―ニヒリズムの時代へ  

内容説明

「西欧近代とは何か?」だれもが疑わなかった理想社会に齟齬が生じはじめた。その現実を前に、再認識を余儀なくされている「近代」の意味。自由、平等、民主主義、市場経済…アメリカが掲げる輝かしい「文明」は、同時に形式的な官僚主義、空虚なニヒリズムを生み出した。信ずべき確かな価値を見失い、茫然自失する私たち。人類が獲得した果実ははたして「進歩」だったのか。ホッブズ、ルソー、ウェーバーなど、近代を決定づけた西欧思想を問いなおし、現代文明の本質と危うさに真っ向から迫る新しい文明史観。

目次

第1章 文明の捉え方―進歩の思想と文明の衝突
第2章 「確かなもの」の探求―西欧近代の成立
第3章 「近代国家」とは何か―ホッブズの発見
第4章 「人民主権」の真の意味―ホッブズからルソーへ
第5章 フランス革命とアメリカ独立革命―異質な近代革命
第6章 個人主義の起源―マックス・ウェーバーと西欧近代
第7章 不安な個人の誕生―合理主義の行方
第8章 西欧進歩主義の壁―ニヒリズムの時代へ

著者等紹介

佐伯啓思[サエキケイシ]
1949年奈良県生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。滋賀大学経済学部教授などを経て、現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授。専攻は社会経済学、社会思想史。おもな著書に『隠された思考』(筑摩書房、サントリー学芸賞)、『「アメリカニズム」の終焉』(TBSブリタニカ、東畑記念賞)、『現代日本のリベラリズム』(講談社、読売論壇賞)など多数ある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

19
個人主義、国民国家、確実性の探求といった近代を特徴づける要素の誕生は、歴史の進歩と思われてきたが、実際はこれらを産み出した思想には古典古代的美徳やキリスト教のエッセンスも未だ強く流れていた。しかし、近代性の拡大と共にそうした古典的美徳の側面は内側から食い潰されていき、全体主義や合理性の牢獄、ニヒリズムのような負の側面も現れていく。そうした近代のパラドックスを、ホッブズやルソー、ウェーバーといった近代思想の大物たちを鮮やかに解説しながら歴史的に明らかにしていく名講義2014/10/01

shiaruvy

7
★4 「2003.10.31 初版」 断片的な歴史事実・哲学思想は知っていたが,たかだか270頁であるこの本を読んだおかげで,知識すべて重ね合わせて一枚の地図が朧気ながら完成した。 何回も読んで地図をはっきり浮かばせたいが,とりあえずは下巻へ突入!2012/03/23

うえ

3
国民国家の成立。「ルター信徒たちは少なくとも当初は迫害される。その結果、迫害された信徒が場所を変えて移住し、ヨーロッパじゅうに散らばっていく…聖書はその後、諸言語に翻訳されてゆく…たとえばドイツ語で聖書を読む集団が出てくる…俗語に翻訳された聖書を通じて、ひとつの文化的・宗教的共同体が定義されて…「国民」が成立してくる…ルターはそんなことを意図したわけではありません。…意図することなく「国民国家」を生み出してゆくわけです。さらにその動きを助長したのが、少し前にグーテンベルクによって発明された印刷機です。」2024/08/20

みゆき

3
西洋近代の観方を提供する本。ただ自身に知識がないので、ほぼ筆者の意見を丸呑み状態に…。これを足がかりにまだ手を出せてない古典を読みたい。2016/08/07

ショウゴ

2
現代に蔓延するニヒリズムについて、歴史の流れとその根底にある人の価値観の変遷をもとに説明しておられ、整理できたように思います。今まで読んできた本がつながってくるような感覚がありました。ニーチェに興味が湧きました。2018/07/23

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