出版社内容情報
戦後の総理大臣たちの引き際のドラマを描く。
長期政権となる可能性を秘めた小泉内閣。田中角栄や中曾根康弘など、過去の総理たちとの比較から最高権力者の退き際を考える。
小泉純一郎首相の在任期間が4年を超えた。コロコロと政権が変わった近年の日本の政界では珍事である。小泉首相自身は「06年9月の退陣」をにおわせるが、先のことは誰にもわからない。だが、その進退には興味が湧く。
▼なぜなら「いつどんな形で政権を手放したかという退陣劇にもその政治家の本質と人間性が凝縮されて表れ」(序章)、その決断はまさにドラマであるからだ。最高権力をめざす者たちの闘いであり、その座を手放すかどうかは複雑で強烈な内的葛藤であろう。政治家の生き方や哲学だけでなく、利害、損得、計算、思惑、好き嫌いといった感情も織り交ぜた判断である。
▼本書は田中角栄から森喜朗までの16人の首相経験者のうち、死去などで政権の座を離れた大平正芳と小渕恵三を除く14人の首相の出処進退の虚実をまとめた。首相経験者の人物論としてだけでなく、政治史の裏舞台を描いた400頁を超える大作である。
●序章 首相の辞め方
●第1章 田中角栄
●第2章 三木武夫
●第3章 福田赳夫
●第4章 鈴木義幸
●第5章 中曽根康弘
●第6章 竹下登
●第7章 宇野宗佑
●第8章 海部俊樹
●第9章 宮澤喜一
●第10章 細川護煕
●第11章 羽田 孜
●第12章 村山富市
●第13章 橋本龍太郎
●第14章 森 喜朗
●終章 退き際の決断
内容説明
首相の辞め方、つまり権力者の退き際に関心を持つのは、そこから政治リーダーの本質を探ることができるからだ。首相となった政治家の個性は、何よりもいつどうやって政権を獲得したかという権力奪取の仕方に色濃く反映される。だが、もう一つ、いつどんな形で政権を手放したかという退陣劇にもその政治家の本質と人間性が凝縮されて表れる。
目次
首相の辞め方
田中角栄
三木武夫
福田赳夫
鈴木善幸
中曽根康弘
竹下登
宇野宗佑
海部俊樹
宮沢喜一
細川護煕
羽田孜
村山富市
橋本龍太郎
森喜朗
退き際の決断
著者等紹介
塩田潮[シオタウシオ]
1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。雑誌編集者、『文芸春秋』記者などを経て、ノンフィクション作家に。『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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