出版社内容情報
日本人が思い起こすべき「精神の形」を探る。
昔、「恋」は「孤悲」と書いた――そんなうんちくから日本的感情のルーツが見えてくる。日本文明論と日本語論の専門家が深く追究する。
長崎での少年による殺人事件を見るまでもなく、ここ10年ほど、子どもたちによる「感情の感じられない」犯罪が目立って報道されるようになってきた。少年だけではない。大人も、すぐにキレ、人から注意されたらすぐに殴る事件が多発している。
▼本書は、日本的感情とでも呼ぶべきものがいまどのように衰退しているか、そしてそれを取り戻すためにはどうすればいいのかについて考えた対論である。
▼齋藤氏は、「喜怒哀楽」に替わる新たな感情の分類方法として、「感情の三原色」(哀しみ・憧れ・張り)という考え方を提唱する。また、山折氏は、さまざまな文学作品や歌などから、ことに日本的と考えられる「哀しみ」に焦点を当て、そうした感情は文化のなかで模倣し、学習されていくものであることを明らかにしている。
▼「日本的感情のふるさと」を訪ねる作業を通じて、いま私たちが意識的に語りつぎ、受け継ぐべきことは何かが浮かび上がってくる一冊である。
●第1章 「日本的感情」とは何か
●第2章 日本人の感情の“ふるさと”
●第3章 日本人が思い起こすべき「精神の形」とは何か
内容説明
日本的感情とでも呼ぶべきものがいまどのように衰退しているか、そしてそれを取り戻すためにはどうすればいいのかについて考えた対論。日本に伝統的に強かったとされる感情のなかでも、とくに哀しみに焦点を当てている。
目次
第1章 「日本的感情」とは何か(日本人の感情表現が貧困化している;「日本的感情」を形づくるものは何か)
第2章 日本人の感情の“ふるさと”(感情の“ふるさと”は「季節感」にあり;感情の“ふるさと”は「精神世界」にあり;感情の“ふるさと”は「歌」にあり;感情の“ふるさと”は「リズム」にあり;感情の“ふるさと”は「身体感覚」にあり)
第3章 日本人が思い起こすべき「精神の形」とは何か(消えゆく「足腰」の文化;日本人にとって「型」とは何か;日本人の“心のふるさと”を取り戻すために)
感想・レビュー
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yumiha
ありんこ
いとぅー