出版社内容情報
女性中心の村で育ったひとりの女性の半生。
女権社会、中国少数民族モソ。ここを飛び出し、現在はサンフランシスコでモデル、シンガーとして活躍中の著者の激動の半生。
ヒマラヤの辺境、ルグ湖のほとりにあるモソ族の暮らす地は、中国本土の影響をほとんど受けず、独自の時間を刻んでいる。文化大革命の激動の時代には多少の飛び火もあったが、それでも自分たちの伝統や慣習を守り、平和にのんびりと生活している。
▼中国の少数民族に含まれるこの部族の一番の特徴は、女権社会であるという点だ。一家の長は女性で、代代家を継ぐのも女性だ。結婚という制度はなく、女性は好きになった男性の子どもを産み、手元で育てる。
▼これは一人のモソ族出身の女性の成長物語である。母親の影響を受けながらも、より大きな世界に憧れ、ある日突然家を飛び出した少女が大都会上海の音楽院で夢を掴むまでを回想。
▼常にはみ出し者だった著者が、自分の場所を遠い世界に見つけ、作っていく過程は、国境や人種の差を超えて読む者の胸に迫ってくる。
▼著者は北京、上海へと飛び出した後サンフランシスコに渡りシンガー、モデルとして活躍している。
●一生分の涙
●母・ラトソ
●母の帰郷
●文化大革命
●赤い靴
●飢えた男
●山の生活
●物語―焚火を囲んで
●山の女神
●スカートの儀式
●寝室のノック ほか
内容説明
ヒマラヤの最果て、ルグ湖畔。この地では、女性が男性を統治する。少女の「スカートの儀式」、女たちが恋人と逢引する「花の部屋」…ドラマチックで不可思議な、美しい暮らしから、上海・北京・サンフランシスコと世界に飛び出しスターになった、強く逞しい少女の軌跡。
目次
一生分の涙
母・ラトソ
母の帰郷
文化大革命
赤い靴
飢えた男
山の生活
物語―焚火を囲んで
山の女神
スカートの儀式
寝室のノック
歌と、街への旅
街
世界の真ん中で
世界の涯
愛と務め
スキャンダル
家出―再び西昌、そして上海へ
オーディション
上海音楽院での日々
過去は過去……帰郷と旅立ち