静かなる戦争〈下〉―アメリカの栄光と挫折

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569627229
  • NDC分類 319.53
  • Cコード C0031

出版社内容情報

アメリカという巨大な権力機構の内幕とは。ホワイトハウスの真実、大統領と軍の権力闘争など、丹念な取材をもとに生々しく描く。

無難に外交問題をこなしたかに見えたクリントンだったが、ハイチ、ルワンダ、さらにはバルカンで更なる紛争の火種が燃え盛ろうとしていた。空爆に踏み切るべきか否か。政府内の葛藤に加え、ヨーロッパ諸国対アメリカという新たなる覇権争いも浮上する。

▼しかしクリントンは、そうした重要な外交問題に全力を傾注することができなかった。なぜなら、自分自身の致命的なスキャンダル、モニカ・ルインスキー事件が起きていたからである。

▼政権を揺るがす大事件にマスコミは沸き立った。しかし、国民はむしろマスコミを敵視した。クリントンの不思議な強運は、この障害をみごとに乗り越えたのである。

▼下巻はクリントン政権から、現ブッシュ政権の誕生までを描いている。本書はあの9.11テロ以前に書かれた本であるにもかかわらず、新しい戦争の形としてテロ組織の登場を予言し、またフランスのアメリカに対する造反を見通すなど、多くの示唆に満ちている。

●第24章 ハイチ問題とルワンダ内戦 
●第25章 悩める大統領補佐官 
●第26章 シラク大統領の画策 
●第27章 終盤戦略 
●第28章 シャリカシュビリの才能 
●第29章 バルカン情勢の新展開 
●第30章 ホルブルックの野心 
●第31章 デートン和平会議 
●第32章 第二次クリントン政権 
●第33章 モニカ・ルインスキー事件 
●第34章 ミロシェビッチを止めるもの 
●第35章 クリントンの強運 
●第36章 完璧な大統領補佐官 
●第37章 政治家と軍人 
●第38章 空爆が起こした波紋 
●第39章 秀才クラーク 
●第40章 コーエン国防長官の懸念 
●第41章 NATOの内部紛争 
●第42章 平時の戦争 
●第43章 戦争終結 
●第44章 大統領の器

内容説明

軍との確執、女性問題、マスコミ操作。外交という表舞台の一方でホワイトハウスの赤裸々な実態が明らかになる。大統領の資質が問われる中、やがて時代はクリントンからブッシュへと移っていく。

目次

ハイチ問題とルワンダ内戦
悩める大統領補佐官
シラク大統領の画策
終盤戦略
シャリカシュビリの才能
バルカン情勢の新展開
ホルブルックの野心
デートン和平会議
第二次クリントン政権
モニカ・ルインスキー事件〔ほか〕

著者等紹介

小倉慶郎[オグラヨシロウ]
1961年東京都生まれ。現在は京都府に在住。学習院大学大学院イギリス文学専攻博士前期課程修了。大阪外国語大学留学生センター(同時通訳、日英翻訳演習)、大阪府立大学(英文ライティング)、インタースクール大阪校(放送通訳)などで講師を務めるかたわら、通訳・翻訳者として活躍している

三島篤志[ミシマアツシ]
1964年兵庫県生まれ。米国ニューメキシコ大学大学院言語科学専攻修士課程、神戸市外国語大学大学院英語学専攻修士課程修了。現在、帝塚山学院大学人間文化学部助教授(英語音声学、時事英語、通訳、映像翻訳)。大学で教鞭をとるかたわら、放送通訳者としても活動し、現在はNHK‐BSでCNN Headline Newsなどの海外ニュース番組の通訳・翻訳を担当

田中均[タナカヒトシ]
1960年山形県生まれ。独協大学卒業後、通訳を始める。その後米国イリノイ州立大学大学院で修士課程(政治学)を修了。放送通訳者としてNHK‐BSでCNN Headline News、ABC World News Tonightなどの海外ニュース番組の通訳・翻訳を担当。トフルゼミナールの英語講師として留学希望者の指導にもあたっている。横浜市在住

佳元一洋[ヨシモトカズヒロ]
1960年鹿児島県生まれ。鹿児島大学教育学部英語科卒業後、渡米。旅行会社勤務を経て、日系自動車企業の社内翻訳・通訳を務める。米国には13年間滞在。帰国後、CNN InternationalのWorld Sports,Science & Technology等の放送通訳を経て、現在は会議通訳者及びNHK放送通訳・翻訳者。CNN Headline News、ABC Nightline等の通訳のほか、先のイラク戦争では同時通訳で活躍した

柴武行[シバタケユキ]
1971年神奈川県生まれ。現在は、東京都に在住。創価大学文学部英文学科卒業後、イギリスのブラッドフォード大学大学院平和学部で平和学(Peace Studies)を専攻。現在、放送通訳者としてNHK‐BSで、BBC、CNN Headline News、ABC Nightlineなどを担当する
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

大森黃馨

7
当書は2001年に出版またも2007年に亡くなられた著者には無論知る由もないのだが①実は冷戦終結後のCIAはこれから何をすればよいのか分からず時間を無駄にしてイスラム勢力の台頭を許してしまいまた技術の進歩に対応出来なかった②同書ではさらりとまた好意的に書かれているNATOの東方への拡大は実際にはロシアには脅威かつ感情的にも大変な屈辱でそれを原動力として諜報力を復活させそれを用いてアメリカを攻撃し混乱に陥れているまたウクライナ戦争の一因となっている、etc…今となっては当書は真実の告白ではなく(続く)2023/09/27

katono

1
「静かなる戦争(デービッド・ハルバースタム)」読了。ベストアンドブライテストの続編。ハルバースタムをもっと読みたかった。泣。 PS.この本好きな人はちょっと古いけど、著者の出世作「ベストアンドブライテスト」お勧めします。2017/06/22

yasu

1
いま中国と尖閣諸島で大揉めに揉めている、もし中国がもっと攻勢に出てきて、尖閣で実力行使をした場合、果たしてアメリカは日本の見方をするのか?この本を読んでいるとアメリカは決して全面的に日本の味方をしない、アメリカの国益第一で、少しでもアメリカの血が流れるようなことがあるとするならば躊躇するだろし、経済的にアメリカの大打撃になることをしないように思う、 ハルバースタムの取材力は政権の中枢の閣僚の人間性、思想、等を余すところなく深堀しているように見える、この本の中で一番魅力的でない人物はクリントン元大統領だった2012/09/14

ゾロりん

1
とても勉強になりました。外から見ていると、アメリカというのは戦争が好きで、大統領の下一致団結した国に見えるんですが、そうでもないんですね。この後、第二次湾岸戦争が始るというのが信じられない。この続きを読みたい。2010/06/15

在賀耕平

0
内容がヘビーなので、少しづつ読み続けていたのだが、読むのに3か月もかかってしまった。 内容は、ホワイトハウスが、クリントンが、ボスニア、コソボ、ハイチ、ソマリア、ルワンダでの紛争に対し、どう感じ、どう動いたのかを恐らく膨大な資料、インタビューをもとに構成した凄い本。 この本を読めば、いま起こっているウクライナ紛争、東アジア情勢が、少し違った視点をもってみることができて、大変に楽しい。 2014/07/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/46553
  • ご注意事項

最近チェックした商品