出版社内容情報
脳死者をめぐる長年の論争に終止符を打つ論考。
脳死者の臓器提供をめぐる問題に何があるのか? 「臓器移植法」改定を前に、長年の論争の焦点を整理する。生命倫理の本質をえぐった渾身の大作。
「脳死者は臓器摘出時に激痛を感じている可能性がある」「家族の呼びかけに反応することがある」「妊婦であれば出産できる」「19年間生き続けている者もいる」――1997年に「臓器移植法」が成立して以来、日本でも脳死・臓器移植は既成事実となった感が強い。ところが近年、脳死を人の死とする医学的な根本が大きく揺らいでいるのだ! 本書は脳死・臓器移植の問題点を、歴史的、科学的に徹底検証。報道されない真実を白日の下にさらし、「死」とは何か、「人間の尊厳」とは何かをあらためて問い直す。68年に行なわれた和田移植、99年の高知赤十字病院移植の綿密な比較検討から浮かび上がる衝撃の新事実に、読者の目は大きく見開かれることだろう。
▼読者の道案内役をつとめてくれるのはサン=テグジュペリ作「星の王子さま」。「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ」という言葉が問題を解くカギとなる。
●序章 「星の王子さま」のまなざし
●第2章 脳死・臓器移植の「外がわ」
●第3章 脳死神話からの解放
●第4章 「脳死=精神の死」という俗説
●第5章 植物状態の再考
●第6章 脳死・臓器移植の歴史的現在
●第7章 「臓器移植法」の改定問題
●終章 旅の終わりに
内容説明
脳死者は臓器摘出時に激痛を感じている可能性がある。家族の呼びかけに反応することがある。妊婦であれば出産もできる。一九年間生き続けている者もいる―。一般には知られていない脳死・臓器移植の真実を白日の下にさらし、臓器提供者の側から、「死」とは何か、「人間の尊厳」とは何かをあらためて問い直す。一九九七年に「臓器移植法」が成立して以来、脳死・臓器移植は既成事実となった感が強いが、脳死を人の死とする医学的な根本が大きく揺らいでいるのだ。脳死・臓器移植問題に関する決定版。
目次
序章 「星の王子さま」のまなざし
第2章 脳死・臓器移植の「外がわ」
第3章 脳死神話からの解放
第4章 「脳死=精神の死」という俗説
第5章 植物状態の再考
第6章 脳死・臓器移植の歴史的現在
第7章 「臓器移植法」の改定問題
終章 旅の終わりに
著者等紹介
小松美彦[コマツヨシヒコ]
1955年、東京阿佐ヶ谷に生まれる。1989年、東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論博士課程単位取得。玉川大学文学部助教授などを経て、現在、東京海洋大学(東京水産大学と東京商船大学が2003年に統合)海洋科学部教授。専攻は、科学史・科学論、生命倫理学。現在の死生をめぐる問題を主に歴史的な視点から検討している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- 数学の世界地図