出版社内容情報
血湧き肉踊る宮本武蔵の決闘シーン。佐々木小次郎、吉岡清十郎、宍戸梅軒……。宿敵たちとの闘いを武道家の目でリアルに再現する。
日本史上最強の剣客であった宮本武蔵。彼は、単なる剣豪ではなく、異種格闘技の天才でもあった――。生涯六十余度の試合をしたといわれる武蔵は、佐々木小次郎や吉岡一門といった正統派の剣術家だけでなく、宝蔵院流槍術や夢想流杖術、また鎖鎌の宍戸梅軒など、さまざまな武器を操る宿敵とも数多く対決している。本書では、剣道に精通した著者が、吉川英治の『宮本武蔵』の中から12の決闘シーンを取り上げ、名場面を振り返りながら、大勢の敵といかに戦ったのか、異種試合をどういう作戦で切り抜けたのか、といった視点で武蔵の戦術や心理作戦を解説する。また、吉川武蔵に欠くことのできない登場人物「お通」へのほのかな恋慕の情も、剣術家としての武蔵の心情を推察しながら読み解く。また第二部では、「武の系譜」として、武蔵を知るために必要な剣術に関する基礎知識も解説した。2003年NHK大河ドラマ「武蔵」を10倍楽しむための一冊。
[第1部]宿命の対決
●獰猛な本性の目覚め――対 辻風典馬
●強すぎる武蔵――対 阿巌
●殺人剣と活人剣――対 宝蔵院衆・浪人衆
●芍薬と剣聖――対 柳生四高弟
●佐々木小次郎の登場――小次郎対吉岡一門
●名門敗るる――対 吉岡清十郎
●三十三間堂の血煙――対 吉岡伝七郎
●二刀開眼――対 吉岡一門
●導母の杖――対 夢想権之助
●善鬼の再来――小次郎対小野次郎右衛門忠明
●辻風黄平の正体――対 宍戸梅軒
●六十余度目、最後の真剣勝負――武蔵対小次郎
内容説明
宝蔵院流槍術、夢想流杖術、鎖鎌…武蔵は異種試合をどう闘い、いかに勝利したのか?その戦術と心理作戦のすべてを描く。
目次
第1部 宿命の対決(獰猛な本性の目覚め―対辻風典馬;強すぎる武蔵―対阿巌(宝蔵院流槍術)
殺人剣と活人剣―対宝蔵院衆・浪人衆(般若坂の決闘)
芍薬と剣聖―対・柳生四高弟
佐々木小次郎の登場―小次郎対吉岡一門 ほか)
第2部 武の系譜(剣の三大源流;介者(甲胄)剣術と素肌剣術
武器
新陰流と一刀流、そして現代武道へ
二天一流 ほか)
著者等紹介
桑沢慧[クワサワケイ]
1963年、東京生まれ。本名、加藤まさし。カリフォルニア州ラッセンカレッジに学ぶ。剣道四段。現在、SF、武道、防衛など、幅広いジャンルのライター、翻訳家として活躍中
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。