出版社内容情報
視線を遮る電線群、けばけばしい看板……戦後日本が築いた醜い日常景観。その実態を神戸、真鶴などのケーススタディ、欧米との比較を通して検証する。
視界を遮る電線、けばけばしい看板、全国均質なロードサイド・ショップ群……生活圏における景観が、これほど貧しく醜い国もない。まさに「清潔な廃墟」である。
▼著者は言う。その荒廃こそ経済発展を全てに優先させた戦後日本の姿ではないか。同時に、歴史・風土と断絶した景観は、人間から過去の記憶を抹殺し、「豊かさ」を奪ってきたのではないか、と。
▼昨今、騒音を拒否する主張が生活環境の実感として唱えられている。だが景観の場合、日常景観の荒廃に関する危機感は未だに低く、議論の大半は伝統的町並み、自然環境などについてのものである。
▼本書では、四つの事例(郊外景観の興亡、神戸の市政と景観、真鶴町「美の条例」の理想と現実、電線地中化問題)を通して、日常景観を汚しても省みない日本社会の実像を映し出す。同時に、世紀末的景観へ推移する現状へ警鐘を鳴らす。
▼活力ある未来をイメージするために景観保全が必須であると説く、異色の社会経済論。
●序章 生活圏における景観荒廃
●第1章 郊外景観の興亡
●第2章 神戸の市政と景観
●第3章 真鶴町「美の条例」の理想と現実
●第4章 電線地中化問題
●終章 世紀末的景観のはじまり
内容説明
視界を遮る電線、けばけばしい看板、全国均質なロードサイド・ショップ群…生活圏における景観が、これほど貧しく醜い国もない。その荒廃こそ経済発展を全てに優先させた戦後日本の姿ではないか。同時に、歴史・風土と断絶した景観は、人間から過去の記憶を抹殺し、「豊かさ」を奪ってきたのではないか。四つの事例(郊外、神戸市、真鶴町、電線地中化問題)を通して、日常景観を汚しても省みない日本社会の実像を映し出す。景観保全が活力ある未来を生むと説く、異色の社会経済論。
目次
序章 生活圏における景観荒廃
第1章 郊外景観の興亡
第2章 神戸の市政と景観
第3章 真鶴町「美の条例」の理想と現実
第4章 電線地中化問題
終章 世紀末的景観のはじまり
著者等紹介
松原隆一郎[マツバラリュウイチロウ]
1956年神戸市生まれ。東京大学工学部都市工学科卒業。同大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。専攻は社会経済学・相関社会科学。消費社会化した資本主義の現実を、詳細な取材と思想史の両面から分析している
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