出版社内容情報
日本型システムの社会主義体質を明らかにする。
日本経済を体力なからしめている日本型社会主義を改め、日本および日本人が健全な経済プレーヤーになるためには何が必要かを説く。
日本はこの10年、老化による「複合慢性病」で長期入院を続けているようなものである。今後、老化と衰亡の傾向を逆転することは難しいだろうが、老化を遅らせ「豊かな老後」を長く楽しむことなら可能である。そのためにはどうしたらよいか。本書は「日本型社会主義との訣別なくして活路なし」と説く。ただ社会主義を卒業しても、それがただちに繁栄を約束する資本主義をもたらすわけではないことは覚悟しなければならない。まずは政府に面倒を見てもらおうとする「お上症候群」は脱するべきだろう。また、個人が自由に自分の責任で生きるために邪魔になるものは壊れてしまったほうがよい。たとえ日本が赤字で倒産状態に陥っても、個人は総倒れにはならない。「国破れて」も個人は破れない。老化社会の時代は平静に衰亡の姿と向き合って自分の生き方を考えることが賢明である。「国家につながれた奴隷になるか、自由に生きる個人であるか」の選択を読者に迫る良書。
●第1章 日本型社会主義の終焉
●第2章 福祉国家が生み出す文明病
●第3章 税金は安いほどよい
●第4章 組織の盛衰
●第5章 国破れても個人あり
目次
第1章 日本型社会主義の終焉(負け戦は早くやめよ;競争のムチで日本人を鍛え直せ ほか)
第2章 福祉国家が生み出す文明病(「生活大国」という貧乏;「少子化対策」など必要ない ほか)
第3章 税金は安いほどよい(「苛政は虎よりも猛し」;税金は安いほどよい ほか):第4章 組織の盛衰(会社封建主義の終わり;経営者の「敗戦責任」は厳しく追及せよ ほか)
第5章 国破れても個人あり(市場の目で自己を評価せよ;サーカスと資本主義 ほか)
著者等紹介
竹内靖雄[タケウチヤスオ]
1935年高知県生まれ。1958年東京大学経済学部卒業。1965年同大学大学院博士課程修了。成蹊大学専任講師、同大学助教授を経て、現在、同大学経済学部教授。経済思想史・経済倫理学専攻。著書に『市場の経済思想』(創文社、東京海上各務記念財団最優秀図書賞)、『正義と嫉妬の経済学』(講談社、第一回山本七平賞)など多数
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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