出版社内容情報
「認められたい」心のしくみを解きほぐす。
<自己愛>や<依存>は否定すべき感情か。むしろ受容することで心は治癒するのではないか。米国の精神科医・コフートの理論を易しく解説。
フロイト流の伝統的な精神分析では、<自己愛>や<依存>について否定的にとらえてきた。これらを脱却することが、自我の成長であるとするのだ。しかしコフートは、人間本来の自己愛や依存心はもっと認め合うべきだと唱えた。それは、お互いの「ギブ・アンド・テイク」が成立した時、より成熟した人間関係につながるのである。
▼本書は、現代精神分析に多大な影響を与えた、アメリカの精神科医コフートの自己心理学を紹介。
▼コフートはなぜ米国で支持されるのか。患者自身が高いお金を払って精神分析を受ける国では、結局、最も治療効果があり、心地良い精神療法に人気が集まるのである。その秘密を著者は丹念に分析する。コフート理論は、「エス」「超自我」といった抽象論を超えて、「共感」「自己対象」という分かり易い概念で解説しているのだ。心理学に無知な人間にとっても理解できる内容である。
▼臨床医である著者が、心病む現代人に最も相応しい治療理論を教える。
●第1章 コフートの生涯と自己心理学の誕生
●第2章 自己愛と自己愛パーソナリティ障害
●第3章 「共感の臨床家」としてのコフート
●第4章 依存の心理学としてのコフート理論――自己対象とは何か
●第5章 コフートの発達理論と治療理論
内容説明
フロイト流の伝統的な精神分析では、「自己愛」や「依存」を脱却することが、自我の発達であるとしてきた。しかしコフートは、人間本来の自己愛や依存心はもっとも認め合うべきものだという。それらを受け入れてこそ、お互いの「ギブ・アンド・テイク」が成立し、より成熟した人間関係が築けるのだと唱えた。本書は、現代精神分析に多大な影響を与えるコフートの自己心理学を紹介。「共感」「自己対象」などをキーワードに、臨床医である著者が、心病む現代人に最もふさわしい治療理論を教える。
目次
第1章 コフートの生涯と自己心理学の誕生(ベストスリーに入る著者・コフート;創設者としてのフロイトとコフートの違い ほか)
第2章 自己愛と自己愛パーソナリティ障害(身近なコフートの「自己愛」概念;「ナルシシズム」は新しい概念 ほか)
第3章 「共感の臨床家」としてのコフート(共感と同情;共感と同一化 ほか)
第4章 依存の心理学としてのコフート理論―自己対象とは何か(相手を「対象」と見るか「自己」と見るか;共感できる人、できない人 ほか)
第5章 コフートの発達理論と治療理論(精神分析の四つの側面;固着と退行 ほか)
著者等紹介
和田秀樹[ワダヒデキ]
1960年大阪生まれ。1985年東京大学医学部卒業。東京大学付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在は精神科医。川崎幸病院精神科コンサルタント。一橋大学経済学部(現代経済学)、上智大学文学部(心理学科)などの非常勤講師を歴任。日本人として初めて自己心理学の年鑑「Progress in Self Psychology」に論文が掲載されるなど、本邦におけるコフート自己心理学研究の第一人者
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感想・レビュー
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