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出版社内容情報
軍歌を知らずして、日本人を語るなかれ――。軍歌の底流に流れる日本人の豊かな感性に焦点を当てながら、その美意識について再考する。
火筒の響き遠ざかる 跡には虫も声立てず 吹き立つ風は生臭く 紅染めし草の色
▼そもそも日本の軍歌と呼ばれる歌の数々は、あの厳しい大東亜戦争末期に至るまで、後年の人が誤解するような暗いイメージはなかった、と著者は言う。むろん、戦意を昂揚させる意図が露骨な歌詞もあったが、それらの言葉ですら美しい単語が厳選され、日本人でなくては成し得ない美意識が貫かれていた。
▼『海ゆかば』を知らない若者の多いことほど無念なことはない」と著者は嘆く。この大伴家持の歌には「戦う」という言葉も「勝つ」という言葉もない。全体としての意味は、この身を犠牲にしてもなんの迷いも後悔もないという、まるで恋をしている若者のように心身を捧げんがための歌である。
▼軍歌を通して見えてくるのは、日本人が「量の文明」ではなく、「質の文明」を希求した民族だということである。「軍歌=ウヨク」という固定観念を覆し、日本人とは何かを問う斬新な日本文化論。
●序章 陰鬱なる連想
●第1章 軍歌・日本精神史の結晶
●第2章 芸術作品としての軍歌
●第3章 啓蒙・国際化としての軍歌
●終章 日本文明の確立
内容説明
日本の軍歌は世界に誇るべき芸術作品だ!「軍歌=ウヨク」という固定観念を打破する斬新な日本文化論。
目次
序章 陰鬱なる連想
第1章 軍歌・日本精神史の結晶
第2章 芸術作品としての軍歌
第3章 啓蒙・国際化としての軍歌
終章 日本文明の確立
著者等紹介
林秀彦[ハヤシヒデヒコ]
1934年、東京生まれ。学習院高等科より1955年~1961年、ザール大学(独)、モンプリエ大学(仏)に学ぶ。哲学専攻。柔道師範。テレビ・映画脚本家として活躍
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