出版社内容情報
百七十年前から読まれ続けている名著の真髄。
「戦争」を「政治の手段」と喝破したクラウゼヴィッツに、われわれはいま、何を学ぶべきか。21世紀の視点から名著『戦争論』を読む。
著者は1983年に『「戦争論」を読む』(PHP研究所刊)という本を上梓している。以来、約20年の月日が経ったが、その間、国際情勢は激変した。その最大のポイントは、いうまでもなく、「冷戦」の終結である。著者の言葉を借りれば、世界を東西両陣営に分断し、その間で戦われてきた「冷戦」がついに西側陣営の完全な勝利で幕を閉じ、そして、戦争のない新しい時代「21世紀」がその幕を開けた。
▼2001年9月11日、米国で「同時多発テロ」が発生し、これを「21世紀型の新しい戦争」ととらえる議論がさかんに行われたが、著者は、この同時多発テロは「戦争」ではなく、「国際的犯罪行為」にすぎないと断言する。同テロは、人類全体にはっきりと一つの原則を教え込んだ。それは、国際的な規模の犯罪活動は21世紀の地球上では存在が許されない、ということだ。
▼このような情勢の変化を受け、21世紀の視点から古典的名著『戦争論』を読む。
●第1章 二十世紀の教訓
●第2章 『戦争論』を読む
●第3章 政治に左右された「軍事研究」
●第4章 歴史が語る戦争と軍隊
●終章 『戦争論』の役割は終わった
内容説明
米同時多発テロは「戦争」ではない!「21世紀は人類にとって暮らしやすく、文明が開花する時代になる」と断言する著者が説く、古典的名著の今日的意義。
目次
第1章 二十世紀の教訓
第2章 『戦争論』を読む(クラウゼヴィッツとその時代;『戦争論』の理論と枠組み;「戦史」の持つ意味 ほか)
第3章 政治に左右された「軍事研究」(米国の場合・読まれなかった『戦争論』;旧ソ連の場合・崩壊した軍事的伝統;ドイツの場合・戦前の伝統を継承 ほか)
第4章 歴史が語る戦争と軍隊(軍隊の歴史;核兵器開発競争の終わり;植民地解放闘争の教訓)
終章 『戦争論』の役割は終わった
著者等紹介
長谷川慶太郎[ハセガワケイタロウ]
1927年、京都生まれ。1953年、大阪大学工学部卒業。新聞記者、証券アナリストを経て、現在、国際エコノミストとして活躍。最先端の技術情報、軍事知識、現場から見た経済分析をもとに生み出される先見力には定評がある。1983年、『世界が日本を見倣う日』(東洋経済新報社)で第3回石橋湛山賞を受賞
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