出版社内容情報
その国際地位と今後の影響力を適確に予測。
日本語が死語になる!? その市場価値、難易度、外来語の影響度等のデータから、現在の国際地位を明示し生き残り策を探っていく。
▼インターネットから映画タイトルに至るまで、あらゆる分野で国内に侵入してくる英語。さらに、日本経済の衰退、英語第二公用語論の登場などにより、日本語の地位は脅かされている。
▼一方、敬語と文法、カナ・漢字の使い分けの難しさ……日本語そのものにも国際化を阻む要因は数多い。実際、印欧語などと比べて初級到達に三倍の学習時間がかかるなど、世界に冠たる難解な言語であるというデータもある。
▼このような内外の圧力によって、日本語はこのまま絶滅していくのだろうか。本書では、日本語が置かれている現状報告と他言語との比較による難易度の客観的データを通して、その生き残り策を探っていく。
▼「言語の市場価値」などを扱う「経済言語学」という新たな言語学の視点から、日本語の未来を緻密に考察した一冊。
●序章 言語の国際化と難易度――経済言語学の視点
●第1章 日本語の価値変動
●第2章 言語の日英戦争
●第3章 第二公用語論は日本語をどう変えるか
●第4章 日本語の難しさ
●第5章 文法と敬語の障壁
●第6章 日本語表記の国際化
●第7章 日本語の未来
内容説明
インターネットから映画タイトルに至るまで、あらゆる分野で国内に侵入してくる英語。さらに、日本経済の衰退、英語第二公用語論の登場などにより、日本語の地位は脅かされている。一方、敬語と文法、カナ・漢字の使い分けの難しさ…日本語そのものにも国際化を阻む要因は数多い。このような内外の圧力によって、日本語はこのまま絶滅していくのだろうか。本書では、日本語が置かれている現状報告と他言語との比較による難易度の客観的データを通して、その生き残り策と未来像を探っていく。
目次
序章 言語の国際化と難易度―経済言語学の視点
第1章 日本語の価値変動
第2章 言語の日英戦争
第3章 第二公用語論は日本語をどう変えるか
第4章 日本語の難しさ
第5章 文法と敬語の障壁
第6章 日本語表記の国際化
第7章 日本語の未来
著者等紹介
井上史雄[イノウエフミオ]
1942年山形県鶴岡市生まれ。1971年東京大学大学院言語学博士課程修了。北海道大学文学部助教授を経て、現在、東京外国語大学外国語学部教授。専門は社会言語学、方言学。博士(文学)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本とフルート
2
経済の視点から言語を分析する一冊。英語がいかに私たちの世界を占めているのかが改めて分かった。少しでも英語の方が便利だと感じてしまうと、どんどんそちらに流れていってしまう。英語という共通の言語は、バベルの塔を再建するのかもしれない。2022/02/24
メロン泥棒
1
日本語は難しいと言われるが、本当に難しいのかを客観的なデータから難しさを証明し、その難しさが新しい話者にとって障壁となり、日本語を持ち続けることの経済的な効率について議論する。著者は日本語の将来については悲観的な未来を予測しているが、外来語が入り続ける日本語は「言語自殺」に向かうパターンを辿っているが、文法構造を異にするため「混合語」として生き残るだろうと予想している。経済的な観点から日本語の未来はどうなるかという切り口が非常に面白かった。2011/12/30
水
0
経済と言語は密接につながっている。 様々な国のなまりがあり、完璧を求めないところが英語を世界言語にした。 日本語にそれができるか、またはそれが正しいのかは分からない。2017/11/30
左京大夫
0
20年前の本ですが、現在の状況のもとでも読める内容です。内容はじゅうぶん満足できました。 なお、本書は電子書籍で読みましたが、本文中で示されている図が一切収録されていません。付録やグラビアのようなものが電子書籍に収録されないのは理解できますが、本文中で示される図が載っていないのはいかがなものでしょうか。読者を馬鹿にするのも大概にしなさい。PHP研究所!2021/10/24
啄木鳥
0
経済言語学という視点から日本語を考える。 英語が広がった理由など。 最近はカタカナの言葉が増えて読みにくい…普段パソコン、スマホを使うから書けない漢字が増えたけれど、やはり日本語はひらがな、カタカナ、漢字、そして助詞が必要だと思う。外来語をカタカナにしてもイントネーションが違って意外と外国人には難しいらしい。2018/10/10




