出版社内容情報
家電の王者がかかげる「超製造業」戦略とは。
松下電器は日本の縮図だ――。「破壊と創造」を掲げ、構造改革に取り組む“巨艦”松下の姿を追いながら、日本経済復活へのヒントを提示。
かつて松下電器といえば、エクセレントカンパニーの代名詞であった。20世紀に成功した日本のビジネスモデルは松下がつくったといっても過言ではない。だが、その松下がいま、喘いでいる。
▼売上だけを見れば、松下の拡大基調は止まっていないが、利益成長は1984年を最後に停止していたといっていい。創業者・松下幸之助の死後、90年代に入ってからは、およそ松下らしからぬ不祥事、損失が生じるに至る。「失われた十年」を経て、2000年6月に社長に就任した中村邦夫の頭の中には明確な問題意識ができあがっていた。「このままでは松下がつぶれる」。
▼日本の縮図ともいうべき松下電器はいま、中村社長の「破壊と創造」の号令の下、「超・製造業」への転身をはかるための構造改革を進めている。幸之助の理念である「日に新た」を胸に、20世紀の成功モデルを破壊し、21世紀の成長モデルを創造することができるか――。日本経済復活を占う試金石。
●序章 日本の縮図・松下
●第1章 90年代の悪夢
●第2章 「破壊」が始まった
●第3章 21世紀のビジネスモデル創造
●第4章 明日への「理念」
内容説明
日本経済復活を占う試金石。過去の成功体験の「破壊」。新世紀における日本発ビジネスモデルの「創造」。再び「王者」の座に返り咲くために。
目次
序章 日本の縮図・松下(戦後日本の経営史は松下の歴史;強い部門を育てていながら利益が出ない ほか)
第1章 九〇年代の悪夢(松下にとっての「一九八九年」;テレビ・冷蔵庫欠陥問題で地に墜ちた信頼 ほか)
第2章 「破壊」が始まった(『ベガ』ショック;「重くて遅い松下」への苛立ちと危機感 ほか)
第3章 二十一世紀のビジネスモデル創造(オールジャパン・プロジェクト;ネット社会におけるePF事業の意義 ほか)
第4章 明日への「理念」(ブレイクスルーはあるのか;驚異の「ブラックボックス・モノづくり」 ほか)
著者等紹介
財部誠一[タカラベセイイチ]
1956年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、野村証券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経て、経済ジャーナリスト。金融、経済誌に多く寄稿するとともに、テレビ朝日系の情報番組『サンデープロジェクト』『ねっとパラダイス』などTVでも活躍。また、政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている
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