出版社内容情報
武士の生き様から学ぶ現代サラリーマン考。
“出る杭は打たれる”は武士道の基本?! 武士の日常を辿ると真の日本人気質が見えてくる。現代の“宮仕え”サラリーマンのこれからの生き方の指針。
かつて明治の維新官僚は、欧米と対等に交渉するために、文明開化に邁進した。戦後においても、大日本帝国下の封建遺制を一掃するため近代化の必要を説いた。かくして江戸時代は封建時代の最盛期としてもっぱら否定され続けてきたが、果たしてそこに日本人として見習うべき志は存在しないのだろうか! いや、今こそ当時の武家社会、武士の思想、生き様を開陳し、学ぶべきであろう。本書は江戸学者による武士の生活から思想から組織の序列など歴史小説では触れられることのない武家社会の真実・日本人気質の原点を探る。
▼主な内容として、
●忙しかった役付き大名
●ヒマな武士が産業振興
●江戸幕府の能力主義とは
●“出る杭は打たれる”は武士道のイロハ
●武士のリストラは平等のもと
●大岡忠相の進退伺い
●諸大名のお家事情
●町奉行と警察
●武士道と日本人……財政窮乏、リストラ、接待、役人の汚職、殺傷沙汰、現代に生き写しの世の中で、武士道はいかに貫かれたか!
[第1章]武士の日暮らし
●大名や武士の仕事ぶり
●武士の出世は年功序列か、能力主義
●江戸時代の借金事情
●日本的接待
●流行り廃り今昔
[第2章]諸大名のお家事情
●まず、上様に御礼する――「参勤交代」の新研究
●参勤交代の人間模様
●諸藩の苦悩――津山藩の場合
[第3章]武士道と日本人
●町奉行と警察
●理不尽な正義感
●非戦主義の真実
●武士のノブレス・オブリージュ
●武家社会もハイリスク・ローリターン
●江戸時代の「出世」と現代の「出世」
[終章]対談――武家社会を語る
内容説明
財政窮乏、リストラ、お取り潰し、接待、バブル崩壊…現代に生き写しの世の中で、武士道はいかに貫かれたのか。
目次
第1章 武士の日暮らし(大名や武士の仕事ぶり;武士の出世は年功序列か、能力主義か;江戸時代の借金事情 ほか)
第2章 諸大名のお家事情(まず、上様に御礼する―「参勤交代」の新研究;参勤交代の人間模様;諸藩の苦悩―津山藩の場合)
第3章 武士道と日本人(町奉行と警察;理不尽な正義感;非戦主義の真実 ほか)
終章 対談―武家社会を語る(ケチな小心者が天下をとるまで―池宮彰一氏と語る;威風堂々やせ我慢「参勤交代」―神坂次郎氏と語る;鎖国、殉死、忠臣蔵―宮城谷昌光氏と語る)
著者等紹介
山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部卒業。1982年、同大学大学院を経て東京大学史料編纂所助手。現在、教授。文学博士。1992年、『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社)で第40回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。著書に『寛永時代』(吉川弘文館)、『幕藩制の成立と近世の国制』『鎖国と海禁の時代』(以上、校倉書房)、『江戸お留守居役の日記』『江戸城の宮廷政治』(以上、読売新聞社)、『殉死の構造』(弘文堂)、『参勤交代』『サラリーマン武士道』(以上、講談社)、『長崎聞役日記』(筑摩書房)、『江戸のお白洲』(文芸春秋)ほか多数がある
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