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地球文明の寿命―人類はいつまで「発展」を享受できるか

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  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569615448
  • NDC分類 209
  • Cコード C0030

出版社内容情報

地球史の中で、到達点に行きついた現代文明。自然を破壊・活用し尽くした人類の行方は? 気鋭の地球物理学者と古代文明史家が人間の行き方を問う。

21世紀、文明の課題は「環境問題」である。自然を破壊し地球資源を浪費して繁栄する現代文明は、エネルギー収支から換算すると、百年持たないという。

▼本書では、人類文明誕生以来の「自然と人間の関わり方」を読み解き、そこから人間が生き残るための文明のあり方を考える。

▼著者は文明を、エネルギー活用の違いから「フロー依存型とストック依存型」に分類する。フローとは太陽光や風、水等で、ストックとは石油や鉄鉱石など埋物資源である。古代文明のうち、フローに依存したエジプト文明、縄文文明は長寿だったが、ストックに頼り自然を積極的に加工したメソポタミア文明は急速に滅んでいく。そして現代文明はストックに頼りすぎ、それを得るために大規模な自然破壊を繰り返している。地球史始まって以来の凄い状況である。

▼人類存続への最後の手段として「生き方の思想」を大転換させ、フロー依存型文明に変わる事を解く、警世の対論。

●第1章 文明的視野から見た地球環境問題 
●第2章 気候変動と「人間圏」の誕生 
●第3章 「精神革命」は可能か 
●第4章 ストック依存型文明とフロー依存型文明 
●第5章 人間の本質と欲望抑制の哲学

内容説明

「環境危機」の21世紀、「生き方の思想」が大きく変わる!地球物理学者と古代文明学者の歴史からの洞察。

目次

第1章 文明的視野から見た地球環境問題(「人間圏」=文明の視点から現代を考える;人間圏の形成が文明への第一歩 ほか)
第2章 気候変動と「人間圏」の誕生(一つ前の間氷期に人間圏をつくらなかった現代型新人;年縞の研究でわかってきた古代の環境 ほか)
第3章 「精神革命」は可能か(古代文明が崩壊した後に来る精神革命;遊牧民がやがて海洋文明を築いた ほか)
第4章 ストック依存型文明とフロー依存型文明(産業革命以前と以後で人間圏は二つに分かれる;ストック依存型の人間圏は長寿命型人間圏にはならない ほか)
第5章 人間の本質と欲望抑制の哲学(文明の問題解決には新しい世界観が必要;人類が長く存続することにどれだけの意味があるのか ほか)

著者等紹介

松井孝典[マツイタカフミ]
1946年生まれ。東京大学理学部卒業、同大学院修了。理学博士。現在、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授。専攻は惑星物理学。1986年『Nature』に発表した地球の起源と進化についての一連の論文は世界の学者の注目を集めた。著書に、『宇宙誌』(徳間書店)、『地球倫理へ』(岩波書店)、『巨大隕石の衝突』(PHP新書)、『地球の哲学』(共著、PHP研究所)など多数

安田喜憲[ヤスダヨシノリ]
1946年生まれ。東北大学大学院理学研究科博士課程退学。理学博士。現在、国際日本文化研究センター教授。文部省の重点領域研究「文明と環境」に参画し、3年間にわたる共同研究の成果を『講座 文明と環境』全15巻(朝倉書店)にまとめる。96年、第49回中日文化賞受賞。著書に、『森を守る文明・支配する文明』(PHP新書)、『森と文明の物語』(ちくま新書)、『大河文明の誕生』(角川書店)など多数
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