PHP新書<br> 日本語へそまがり講義

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日本語へそまがり講義

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  • サイズ 新書判/ページ数 202p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569612133
  • NDC分類 810.4
  • Cコード C0295

出版社内容情報

  古今集の味わい方から敬語のセンス、漢字書取テスト廃止論まで。奥深くて曖昧で歴史的にも多様な日本語の世界を縦横無尽に論じた24篇。  「ことば」というのは「転変極まりない現象」であり、奥深くて曖昧で多様であることに、その本質と面白さはある……と著者。本書はおなじみリンボウ先生が、日本語にまつわるさまざまなエピソードを発掘・謎解き・新解釈し、縦横無尽に論じ尽くした一冊。▼たとえば、一説に五万字ともいわれる漢字。異体字の数まで含めればとてもその枠には収まらず、「松」も「枩」も「まつ」である。だから何が正しくて何が間違っているかという問題は非常に判断が難しい。ゆえに、重箱のスミをつつくような受験国語の漢字書き取りテストなど、即刻廃止すべきである……等々。▼一見へそまがりで偏屈な24編のエッセイを通して、「最近の若者の言葉遣いはなっていない」「ラ抜きは文法的に間違っている」といった規範意識にとらわれることなく、自分自身の「ことば」についてもっと自覚的であってほしいという大切なメッセージを伝える。  ●第1部 読み書きの基本について考える ●第2部 日本語の響きについて考える  ●第3部 言葉の洗練について考える

内容説明

このごろの若いものは、漢字一つ正しく書けないか?もともと手で書かれることを前提としていた漢字には無数の「異体字」があって、何が正しいかは簡単には判断できない。「食う」より「食べる」ほうが丁寧か?二つの言葉は歴史的な背景を異にし、「食う」は普通に考えられているほどぞんざいな語ではなかった。等々、常に変化していて曖昧で、決して一つの物差しでは捉えることができない日本語。その奥深い面白さをリンボウ先生が縦横無尽に講釈する。

目次

第1部 読み書きの基本について考える(漢字は意地悪;過ぎたるは…;お裾分け・おみやげ・おかわり ほか)
第2部 日本語の響きについて考える(隠された快感;白楽天の影;躬恒と子規 ほか)
第3部 言葉の洗練について考える(荷風の憂鬱;薬食いということ;食うか食べるか ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おいしゃん

13
最近「正しい日本語の師匠」と、林望さんの本を読み漁っているが、本作はいかんせん難しく、大学の講義のようだった。日本語は常に移りゆくもので、「正しい日本語」という定義付けはできない、ということらしい。2014/02/24

しずかな午後

5
リンボウ先生をちゃんと読んだのは初めてだったが、いやはや驚くほど美文である。特に、和歌や漢詩の鑑賞文となると尋常じゃないほど美しい。本書は「日本語へそ曲がり講義」という題よろしく、日本語・日本文学にまつわる色んな蘊蓄を、時に皮肉を交えつつ綴っている。正しい漢字(そんなものは無い)を巡る「漢字は意地悪」は、自分も漢字テストの採点で苦労したので、いっそう面白かった。美しい敬語のために逆説的に「敬語を使わない」という「過ぎたるは…」もこれまでに無い視点で面白かった。2022/05/24

西澤 隆

5
「昔々に確固たる『美しくぶれない日本語』があり、最近壊れてきた」という構図が好きな人は多い。でも明治の頃ルビが溢れていたなんて話しをきくと「うへえ大人が読む文章まで全部角川つばさ文庫か」とか僕なんかはぞっとしちゃうのだけどね。ルビだらけは文章に没入できないよなんて思いながらもリンボウ先生の論、漢字を国語の点差を作るネタとして使うときの不幸な取り扱われ方には深く共感。そして現代文の問題に使われるのは「悪文」という断定にも歓声。唱歌の譜割りの話しなど研究者はこんなことを考える…を覗き込むのは興味深いことです。2018/12/13

Kaz

5
前半は楽しく読めたが、徐々に専門性が高くなり、少し難しかった。専門的に研究し、知識を積み上げていけば、日本語の分析は楽しいだろうなと感じた。2013/12/24

ヘムレンしば

3
日本語について様々な薀蓄を語った本ですが、単なる雑学的知識だけじゃなくて、日本語の奥深さを実感できる本です。日本語は日本人らしさ日本文化そのものであるという事が良く判ります。様々な書き方のある漢字、歌い難い日本語、歴史の中で移り変わる語彙、お裾分けという言葉から判る日本人の思考、漢詩の影響、短歌、俳諧、俳句の世界など。個人的には「ん」の謎が面白かったですね。普段意識してなかったのですが、不思議な発音です。2012/10/19

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