出版社内容情報
著者は夏目漱石の孫。漱石の時代から受け継がれた糠床の思い出を描いた表題作ほか、日々の出来事をユーモアたっぷりに綴るエッセイ集。 著者は、作家・松岡譲と夏目漱石の長女・筆子の四女として生まれる。本書は、祖父・漱石のエピソードや父母への想いを綴ったエッセイに、雑誌連載中の食にまつわるエッセイを加えて編集した一冊。著者の愛情豊かな人柄に、日常生活への鋭い観察眼とユーモア感覚とが絶妙にバランスされた、しみじみと心が和む一冊である。▼表題作「夏目家の糠みそ」は、著者が丹念に手入れを続けている糠床の話。著者の祖母(漱石の妻・鏡子)が夏目家に嫁すときに実家から貰ってきた糠床を、著者の母が夏目家から持ってでて、さらにそれを著者が受け継いだものだという。著者の筆を通して綴られる夏目家のエピソードからは、悪妻として評判が悪かった鏡子や、漱石の弟子の三角関係が文壇のスキャンダルとなった筆子の、これまで語られなかった素顔が明らかになる。いまや数少なくなった漱石に関係する生きた証言としても、価値の高い内容である。 ●第1章 夏目家の糠みそ ●第2章 餌箱のある庭 ●第3章 五十二年前の中学生 ●第4章 わが町
内容説明
祖父・漱石のこと、父母への想い―食卓の片隅で写し綴る、笑いと涙、美味しさの記憶。珠玉のデビュー・エッセイ集。
目次
第1章 夏目家の糠みそ(母からきいた夏目家のくらし;夏目家の糠みそ ほか)
第2章 餌箱のある庭(糠みそ;タタラ人の味 ほか)
第3章 52年前の中学生(狸の出没する記念館;阿蘇のそば道場 ほか)
第4章 わが町(引越しの日の食事;ぜいたくな悩み ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
あまね
鬼山とんぼ
ジャスコ
はにゃん