出版社内容情報
混迷する平成日本が喪失してしまった道徳、精神とは何か。世の「論潮」に抗う哲人が西洋近代思想の欺瞞と戦後日本人の知的頽廃を糺す。 「戦後××年を振り返る」という言葉をよく耳にするが、日本の「戦後」とは、実は「敗戦後」なのであり、「敗戦後」とは、喪失の日々にほかならない。いったいわれわれは何を、どう喪失したのか??。 およそすべての戦争は「正義の戦争」である。自らの主張を「正義」とし、それを実現するために戦うという意味において、戦争と呼びうるかぎりのものはすべて「正義の戦争」である。だとするならば、われわれが戦後喪失してしまったのは、「正義」にほかならないのではないか。 「正義」と「平和」とは、近代の国際政治が目指す二つの大きな目標である。しかし実は、両者の間には、克服し難い原理的矛盾がひそんでいる。 戦後われわれが失ったものは、単に「正義」だけではなかった。世界を正しく見抜く目を、われわれは失ってしまった。「国際貢献」「グローバリズム」「男女平等」……。われわれを取り巻くスローガンの欺瞞を、哲学者の目があばいてゆく。 ●第1章 正義の喪失 ●第2章 国際正義の罠 ●第3章 難病としての外交交際 ●第4章 ホーダーレス・エコノミー批判 ●第5章 フェミニズムといふ病理
内容説明
戦後われわれが失ったものは、単に「正義」だけではなかった。世界を正しく見抜く目を、われわれは失ってしまった。「国際貢献」「グローバリズム」「男女平等」…。われわれを取り巻くスローガンの欺瞞を、哲学者の目が暴いていく。「戦後」を克服するために。
目次
第1章 正義の喪失
第2章 国際正義の罠―日本人にとっての湾岸戦争
第3章 難病としての外国交際―『文明論之概略』考
第4章 ボーダーレス・エコノミー批判
第5章 フェミニズムといふ病理
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