出版社内容情報
ポンドを主軸とする金本位制から基軸通貨ドルの時代、そしてその終焉。通貨興亡の百年を読み解き、ユーロと円の新たな可能性を展望する。 19世紀後半以降、世界史上で初めて成立した通貨体制は、ポンドを決済通貨とする金本位制であった。しかし第一次世界大戦後、ポンドはドルとの熾烈な為替戦争に敗れ、その座を譲る。そして、第二次世界大戦後の1MF体制の成立と共に、ドルは世界経済を支える基軸通貨となる。1971年のニクソン・ショックをもって、パックス・アメリカーナの時代は実質的に終わる。しかし拡大至上主義にとらわれたアメリカはその後もドルを撒き散らし、国内の貯蓄率はますます低下、対外債務は拡大の一途をたどる。ドルの暴落により世界大恐慌に陥るという悪夢は、もはやいつ起こってもおかしくないと著者は論ずる。 本書では、大胆にして鋭い予測で定評のある著者が、通貨興亡100年の歴史を克明に分析。ユーロとドルの可能性、そして世界経済の新たな枠組みを展望する。急激な円高ドル安が進行し、著者の警告がまさに現実化しつつある今、必読の一冊である。 ●第1章 ポンドからドルへ ●第2章 基軸通貨ドルの誕生 ●第3章 ドル時代の終焉 ●第4章 ユーロ登場 ●第5章 円・国際化のタイムリミット
内容説明
19世紀後半、初の国際的決済通貨として世界に君臨した英ポンド。20世紀前半には、ポンドとの激しい争いを制して、ドルは国際基軸通貨の座につく。第二次大戦後のパックス・アメリカーナを経て、70年代初頭にIMF体制が瓦解。落日のドルが最後の輝きを見せた90年代の終わりとともに、ドル時代も終焉を迎えた。ユーロはドルの対抗勢力となりうるのか?円・国際化のタイムリミットとは?各国の国益が熾烈にぶつかる通貨興亡の100年を克明に描き、グローバリズムの新たな枠組みを展望する。
目次
第1章 ポンドからドルへ
第2章 基軸通貨ドルの誕生
第3章 ドル時代の終焉
第4章 ユーロ登場
第5章 円・国際化のタイムリミット
感想・レビュー
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- 和書
- 風が吹いたら 文春文庫