出版社内容情報
一茶俳句の滑稽奇抜さは俳諧の醍醐味であり、「第一等の泣き笑いの文学」であると著者。愛すべき一茶俳句の魅力を楽しくタネ明かしする。 俳人・小林一茶は宝暦13(1763)年、信濃の国生まれ。幼くして母を亡くし、継母との不仲により、家を出て江戸を放浪する。後に故郷に戻り、50歳を過ぎてから結婚し、三人の子どもをもうける。しかし、その家族にも先立たれた。そのような逆境の人生の中、一茶は晩年まで精力的に句作を続け、生涯で二万句を超える俳句をつくった。 「痩蛙まけるな一茶是にあり」など、多くの人々に親しまれる句を数多く残した一茶だが、「俗人の世話物的人情」(萩原朔太郎)などと言われ、文学的にはこれまであまり評価されてこなかった。しかし、一茶の俳句は、古典・漢籍などについての幅広く深い教養に裏打ちされており、その滑稽奇抜さこそ俳諧の醍醐味である、と著者はいう。 本書は、一茶俳句の世界を、笑いの背後に涙が見え隠れする「第一等の泣き笑いの文学」と位置づけ、300句あまりを厳選。その味わい方・楽しみ方を解説するエッセイである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつのすけ
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◎2023/09/26
ケンサン
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●著者お気に入り→本歌取り、あるいは古詩を踏まえるという技法。NHK連ドラ舞い上がれの主役が短歌の星で『本歌取り』をしていた。藤田湘子さんの俳句本で遊びがてら戯れるが、過去の大家たちの作品はじめ短歌、詩、小説、漢文、時事等知識を得ることの大切さを改めて知る。何より一茶が勉強家であったことを歴史探偵家が語る●現代風の写生句。見たままを素直に唄うところに非凡さを発揮●著者曰く→泣き笑いの文学で第一等?俳諧の根本義は滑稽諧謔…自由奔放な一面の裏に様々な意図、背景が…●『けふの日も棒ふり虫よ明日もまた』良いね~2023/03/13
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