出版社内容情報
日本は21世紀、海洋アジアの中心にいて、「徳と文化のある美しい庭園国家」として世界に臨まねばならない。成熟社会の新しい戦略を問う一冊。
中国の台頭・米国の後退が顕著になった今、日本にはアジア諸国を引っ張っていく明確な戦略が求められている。
▼本書では、海洋アジア諸国の連邦で繁栄と安全を確保する「西太平洋津々浦々連合」を提唱する。
▼海洋アジアとは日本、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシア、豪州などの国々で構成される。四百年前までこの地域では豊かな物産が生まれ、頻繁に交易されることにより、世界中の富が集積されていた。その繁栄のネットワークを、日本が中心となって取り戻す提案である。同時に中国への牽制の意味をも持つ。そして著者は海洋アジア諸国の国作りにガーデンアイランズ構想を提唱する。庭園が溢れ、美を活かす製品やインフラがどんどん生まれるような文化力の高い国。人々は自然の中で知的生産活動に従事する、世界から憧れられるそのような文明を、協力して作り上げようというのである。
▼21世紀日本とアジアのグランドデザインを描く渾身の評論。
[プロローグ]陸の世界史から海の地球史へ
[1]西太平洋津々浦々連合
●ブローデル『地中海』との出会い
●「海洋アジア」の発見
●西太平洋津々浦々連合
[2]豊饒の海のガーデンアイランズ
●「草の海」から構想する――司馬文学の魅力
●地球ガーデンアイランズ構想
●茶の文化と文明
[3]二十一世紀日本の構想
●近代の超克
●教育の改革
●地域の連合
[エピローグ]小渕恵三前首相とのこと
内容説明
本書は、日本が海洋国として、「水の惑星」の未来のモデルたりうる「太平洋文明」の一翼を担うべきことを確信し、よき未来構築のための土台としての歴史観を開陳したものであり、中間報告である。
目次
プロローグ 陸の世界史から海の地球史へ
1 西太平洋津々浦々連合(ブローデル『地中海』との出会い;「海洋アジア」の発見;西太平洋津々浦々連合)
2 豊饒の海のガーデンアイランズ(「草の海」から構想する―司馬文学の魅力;地球ガーデンアイランズ構想;茶の文化と文明)
3 二十一世紀日本の構想(近代の超克;教育の改革;地域の連合)
エピローグ 小渕恵三前首相とのこと