出版社内容情報
その独創的な戦略で、日本海軍の中にひときわ異彩を放つ小沢治三郎。マレー沖海戦で大きな戦果をあげ、敵からも称賛された提督の生涯。 「君たちは決して死んではならない」??小沢治三郎が部下たちに行なった、連合艦隊司令長官としての最後の訓示である。小沢は言った。「戦争に敗れたことは残念で、その責任は強く感じる。だが戦争を起こした責任は私にはない。そして君たちにも、むろんない」。 小沢治三郎??旧帝国海軍の最後の連合艦隊司令長官である。小沢は海軍の発展に草創期から関わった。日本が独自につくり出した空母主体の機動部隊は小沢の発想だった。さらにアウトレンジ戦法、レイテ作戦におけるおとり艦隊など、その奇抜な発想力は敵将からも称賛されるほどだった。小沢はまた日本軍の典型的悪習である組織の官僚主義とも必死で戦った。日本軍の敗北は軍隊の官僚化だとも言われるが、小沢はすでにその危険を見抜いていたのである。 終戦後、部下たちの自決を制した小沢は、自らも自決しなかった。「軍人として最後まで日本を護る」??それが小沢流の責任の取り方だった。
内容説明
「君たちは決して死ぬな」小沢長官は部下たちを前に、最後の訓示を行なった。機動部隊の生みの親であり、組織の官僚主義と戦い、あえて戦争の幕引き役に徹した真の海軍提督。
目次
第1章 航空主兵の萌芽
第2章 風雲急を告ぐ
第3章 真珠湾の奇襲
第4章 南太平洋の激闘
第5章 アウトレンジ戦法
第6章 最後の連合艦隊司令長官
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