出版社内容情報
剣客ぞろいの新選組の中で沖田総司とともに剣術師範方を務めた剣の達人。謀略家土方と歩調を合わせ、最強の非常警察をつくる幕末小説。 新選組の中でも謎の多い斎藤一。今回は、黎明篇ということで、新選組結成前夜の彼の動きを追う。 表向きは近藤配下の壬生浪士隊の一員として、動くことになる。京の都で相次ぐ、攘夷派、尊皇派、佐幕派などの思想の対立による斬殺事件。“天誅”と称しているが、結局は都を血の恐怖に叩き込んでいるだけであった。そのために開国を厭う朝廷と幕府の仲を取り持ちつつ、尊皇攘夷の気運の荒れる京を守護する目的で、京都守護職が設けられた。任じられたのが、会津藩主・松平容保である。 斎藤一は公儀の御庭番であるが、目下の任務は京都守護職の許で様々な情報を収集し、逐一、報告することにある。斎藤一は、会津藩主・松平容保らより先んじて京に乗り込み、会津公上洛まで多方面にわたる情報収集を行なった。沖田総司と肩を並べる剣の達人でもある斎藤一の闇にかくれた謎がいま一つ一つ解き明かされる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆぅ
2
御庭番衆として動く斎藤さんが江戸で暮らす頃~京で浪士組が結成されるまで。ある人物の暗殺を軸にしたお話。斎藤さん好きな方なら楽しめるのではないでしょうか。珍しい時点のお話だと思いました。2018/01/09
すい
1
浪士組上洛前から清河暗殺失敗後までを描いた作品。斎藤一は公儀お庭番として、試衛館の面子に目をつけて立ち合い試合をすることで試衛館との伝を得る。単独で京へ上り、会津藩の手代木直右衛門や佐々木只三郎と絡みつつ、情報収集や護衛/暗殺などを申し付けられる。京での新選組活動が本格化する前を描いていて興味深い。試衛館の面子との絡みは少なくまだ浪士組なので主題の新選組三番隊長は少しおかしい。黎明篇とあるので続編がありそうな感じがするがどうなのだろう。とりあえずこの斎藤は京言葉は使える、変装できる、隠密できると万能。2012/01/23
二分五厘
0
1999.1.23
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- 和書
- 吠える犬 創元推理文庫