出版社内容情報
巨大な大仏にかけた執念。官僚機構との闘い。異形のアウトロー集団の重用。聖武の強烈な夢と情念、壮絶な革命的人生を鮮やかに読み解く。 われは国家なり??巨像・盧舎那仏にわが身を投影し、その存在を宣揚した聖武天皇は、仏教国家の範を聖徳太子に仰ぎ、白鳳の精神を伝統とする理想の君主国・日本の実現をめざした英主であった。 本書では、「大仏建立」を中心に据え、「アウトサイダーの重用」「藤原官僚機構との戦い」「和歌の力の結集」などの視点から、全く新しい聖武像を解き明かす。 これまで詳細な分析がなされなかった聖武天皇。本書では、はじめてこの「顔の見えない天皇に光を当て、丹念な資料検証から「英主」としての聖武像を描き出す意欲作。東大寺所蔵「四聖御影」(良弁、聖武天皇、菩薩僊那、行基の画)カラー口絵を巻頭に、聖武天皇・関係略年表を巻末に据え、充実した資料と著者ならではの万葉歌からの検証。 財力をつくして仏法王国を建設し、精力をついやして天皇親政を樹立して、理想の君主国家実現という巨大な夢を生きた天平の英主の情念に迫る、渾身の書き下ろし。
内容説明
われは国家なり―巨像・盧舎那仏にわが身を投影し、その存在を宣揚した聖武天皇は、仏教国家の範を聖徳太子に仰ぎ、白鳳の精神を伝統とする理想の君主国・日本の実現をめざした英主であった。本書では、「大仏建立」を中心に捉え、「アウトサイダーの重用」「藤原官僚機構との戦い」「和歌の力の結集」などの視点から、まったく新しい聖武像を解き明かす。精力と財力のかぎりをつくして巨大な夢を生きた、天平の英主の情念に迫る、渾身の書き下ろし。
目次
第1章 巨像の夢
第2章 アウトロウ集団
第3章 官僚機構との戦い
第4章 和歌の結集
第5章 死の荘厳