出版社内容情報
若者の気力喪失、家庭崩壊、さまざまな問題が噴出しはじめた日本人はどう生きればいいのか。卓越した感性と知性が問題の核心を語る。 家族の混乱、若者の無規範、権威の崩壊。豊かさの中に新しい問題を抱える日本人は、これからどう生きていけばいいのか。そして残された可能性とは。長く問題作を発表し続けてきた脚本家の山田太一氏と、気鋭の文芸評論家の福田和也氏が対話を試みる。たとえば、家族は本当に崩壊したのか。歴史的に見て、日本人にはもともと崩壊するような家族像などはなく、それは西欧から輸入されたイメージとの対比に過ぎないのでないか。家族とは、もっと個別的なものであり、個別性を追求することによって初めて普遍性を得ることができる。あるいは日本人の自我とは何か。欧米で受け入れられた黒澤明と60年代を境として評価を失った木下恵介の対比を通し、近代主義に生理的についていけない日本人の弱い自我の、現代における悲鳴を感じ取る。「断念美学」にこそ新たな日本人の可能性があるのではないか。卓越した感性と知性が語る、生き方探しのヒントの数々。
内容説明
遠ざかる近代、そして日本人に残された可能性とは―卓越した感性と知性の対話、生き方探しのヒント。
目次
第1章 「家族の崩壊」はほんとうか
第2章 断念という美学の復活
第3章 「善悪」という価値を超えて
第4章 日本人の自我とは何か
第5章 女性の「不機嫌」を考える
第6章 日本人はどう生きられるか
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