出版社内容情報
「歴史教科書問題」「援助交際」「ゴーマニズム宣言」「フェミニズム」……。世紀末ニッポンの思想状況と問題点をあぶり出す気鋭の評論集。 日本人はさまざまな社会問題をどう感じ取り、思想としてどう考えているのか??。本書は、戦後ニッポンの思想的問題点をとりあげた評論集である。 テーマは戦争総括、歴史教科書問題、大江健三郎のノーベル賞問題、オウム、援助交際論、フェミニズム、クローン技術への危機意識など多岐にわたる。 例えば、昨今、物議をかもした「歴史教科書問題」。自虐的な歴史観を超えよ、という風潮の中、著者は、政治イデオロギーの対立として考えること自体が間違いだ、と語る。慰安婦がいた、いないを論じるよりも、戦時に人間は何をするかわからない存在だ、という文学的想像力を育てることが先決ではないのか。 また、大江健三郎ノーベル賞問題とは何か。美談としてでしか報じられなかったことに、この国の批評精神の貧困さを嘆く。マスコミに流布される言説から、一歩引いた視点で捉え直し、自前で考える必要性を説いている。日本人の無邪気な知性を論駁した意欲作である。
内容説明
「あの戦争は侵略だった!?」「大江健三郎はスバラシイ!?」「援助交際がなぜいけない!?」「ミスコンは女性差別!?」…。戦後ニッポン、これだけの問題点。無邪気な日本人の「知」を疑え。
目次
戦無世代は「戦争責任」「教科書問題」をどう考えるか
自虐するあいまいな私―現象としての大江健三郎批判
吉本とよしりん―吉本隆明と小林よしのり、「市民主義」是非論をめぐって
「コギャル・ブルセラ・援助交際」論を読む―社会学者・宮台真司の言説をめぐって
対話編(1) 「フェミニズム問題」とは何だったのか
対話編(2) フェミニズムの旗手たちを論駁する
クローン技術や生命操作をそれほど危惧することはない!
新たな共同体のヴィジョンを目指して
感想・レビュー
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