出版社内容情報
なぜ日本は大東亜戦争を戦うことになったのか。当時の日本人の苦悩に満ちた選択を描き、「自存自衛の受動戦争」という立場から世紀の戦争を振り返る。 日本は今、国家興廃の危機を迎えている。人々の精神の活力は失われており、繁栄もここまでか。本書では、大東亜戦争に向かう存亡の危機にあって、日本人が守り抜こうとしたものを見出し、今、我々が継承すべき志と精神を明らかにする。近代日本の戦いの意味とは何だったのか。著者は「日清・日露戦争は日本の国防上極めて重要な朝鮮半島での問題から発展した戦争、満州事変はポーツマス講和条約に基づく満州における我国の権益の保存、支那事変は満州国の安全と保衛のため、大東亜戦争は自存自衛の戦争であった」としている。さらに、この戦争の教訓として「賢明さを欠いた日本の大陸政策」「早期終結を図れなかった支那事変」「時代に適応しなくなった旧憲法下の国家運営能力」「軍事が政治に優先した国家体制」「国防方針の分裂」「的確さを欠いた戦局洞察」「実現に至らなかった首脳会談」と述べる。苦悩する近代日本を浮き彫りにした著者渾身の力作。
内容説明
国家存亡の危機にあって、日本人が守り抜こうとしたものは何か。明治維新より日清・日露戦争を経て、大東亜戦争に至る歴史を凝視し、苦悩する近代日本の姿を浮き彫りにする。
目次
序章 「大東亜戦争」という呼称について
第1章 旧憲法下における日本の政治権力の構造上の問題点―戦争指導機構の弱体
第2章 満洲事変
第3章 国防方針、国防に要する兵力及び用兵綱領
第4章 支那事変
第5章 昭和十五年の国策のあゆみ
第6章 昭和十六年の情勢
第7章 東条内閣の登場と国策の再検討
第8章 開戦
終章 回顧よりの教訓