幕末あどれさん

幕末あどれさん

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  • サイズ B6判/ページ数 451p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569600826
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

  あらゆる価値観が大転換した幕末維新期の、若き旗本・御家人たちの生き様を描く長篇歴史小説。第八回 時代小説大賞受賞者の最新意欲作。  タイトルの「あどれさん」とはフランス語で青年のこと。幕末期、フランス式軍制を導入した幕軍で使われていた言葉である。本書はこの価値観が激変する時代の、「あどれさん(旗本・御家人)」たちの生きざまを描いた作品である。 久保田宗八郎は旗本の次男坊。ひょんな事から講武所通いの生活を捨て、芝居の世界に飛び込むことになった。身形は町人に馴染んでゆくが、己の体を流れる武士の血はどうしても抜け切れず、その狭間で葛藤し続ける。一方、同じく旗本の次男に生まれた片瀬源之介は、養子先もすんなり決まり、順風満帆な人生が約束されたかに思えたが、家庭環境と社会情勢の急激な変化によって、彼の人生もまた大きく揺さぶられるのである。本書はこの二人の多感な青春像を見事に交差させながら、しかも複雑な時代背景を巧みに織り込んで描いてゆく。 第八回 時代小説大賞受賞者の受賞後第一作目であり、幕末小説の新分野を切り開く意欲作である。  

内容説明

黒船の重い胞声によって切って落とされた維新の幕。その舞台の上では、時勢に翻弄される若者たちの、さまざまな人生が演じられた。講武所通いの生活を捨て、芝居の立作者に弟子入りした旗本の二男坊、久保田宗八郎。同じく旗本の二男で、日本初の陸軍に志願した片瀬源之介。彼らもまた、めくるめく時代の流れに棹さし、あるいは逆らって生きていくのである。そして、一つの時代に幕が引かれたとき、彼らに残されたものは、一体何だったのか…。激変する時代背景に、多感な青年たちの人生模様を鮮やかに織り込んだ、感動の歴史小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤枝梅安

26
旗本の次男・久保田宗八郎は剣の腕前はそこそこなのだが、頑固な性格のためかうだつが上がらない毎日。同居する兄嫁への思慕を断ち切ろうと、一人暮らしを始める。芝居見物をするうちに片瀬弥市郎というやはり旗本の息子と出会い、転がり込んだのは、河竹黙阿弥こと新七の家。狂言作者の道を歩もうとする宗八郎だが、思わぬところから事件に巻き込まれる。弥市郎の弟・源之助やその許嫁・千鶴なども巻き込んで時代は明治へとなだれ込む。宗八郎はかつて峰打ちで倒した男が新政府の役人となり自分を探していることを知る。(コメントに続く)2011/06/25

星落秋風五丈原

10
黒船の重い胞声によって切って落とされた維新の幕。その舞台の上では、時勢に翻弄される若者たちの、さまざまな人生が演じられた。講武所通いの生活を捨て、芝居の立作者に弟子入りした旗本の二男坊、久保田宗八郎。同じく旗本の二男で、日本初の陸軍に志願した片瀬源之介。彼らもまた、めくるめく時代の流れに棹さし、あるいは逆らって生きていくのである。そして、一つの時代に幕が引かれたとき、彼らに残されたものは、一体何だったのか。2004/03/11

masaYoshizuka

2
銀座開花シリーズに先立つ、一連のシリーズの基礎となる作品。娯楽性が高い銀座開花シリーズに比べて意外にもハードな作品となっているのは幕末が舞台であるせいか。主人公(二人のうちのひとり)源之助の母と許婚者千鶴を残酷に冷酷に描いたのはさすが女性の作家だなと思う。2010/12/26

筋書屋虫六

2
政治の渦中にいるわけでない旗本の次男坊として生まれた2人の若者の青春像を通して幕末を照射する。揺るぎなきものとしてあったはずの江戸を支えた精神が砂のようにもろもろとくずれていく不安や焦り…若者ならではの狭量さ。芝居の世界に身を沈め斜に構える宋八郎、幕府陸軍の泥沼の教練の先に出世の道を求める源之介。翻弄される男達に対し、凜とした千鶴や飄とした花紫の健気さが、とても強いものに感じます。2010/08/08

ヨーイチ

1
風太郎の明治物を読破した方は此方もどうぞ。逆も言えるが。2011/05/30

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