出版社内容情報
イラクに囚われた商社マンの凄絶な体験を描く。
フセイン政権下のイラクで投獄され、獄中608日を生き抜いた商社マン。その凄絶な日々を現地に取材して描く衝撃のノンフィクション!
2003年3月に勃発したイラク戦争によって、フセイン大統領は消息不明となり、14年にわたる独裁支配は終焉した。その政治の実態は、これから様々なかたちで明らかにされるだろうが、ここに、80年代初頭のイラクで、獄中に囚われた日本人商社マンの衝撃の記録がある。
▼1981年暮れ、バグダッド市街。出入国管理局から出てきた赤尾宗輔は、不審な男たちに呼び止められ、車で連行される。彼がつながれた獄舎は、過酷な恫喝や暴力・拷問によって囚人たちを責め苛む、まさにこの世の“地獄”であった。理不尽な追及に耐え、苛烈な状況をしのぎ、異邦の囚人たちと生き延びるための苦悩を続ける日々。試みられては頓挫する日本側の救出工作……。
▼実際に起こった拉致事件をもとに、その発端から終焉までを綿密な取材によって描いた本書は、1989年に新潮社から発売され、湾岸戦争勃発とともにベストセラーとなった。ノンフィクションの佳作、待望の文庫化!
●バグダッド―1981年大晦日の前々日
●東京―同年10月9日
●バクダッド―同年12月
●秘密警察獄房―1982年正月
●革命評議会裁判所―同年3月
●アブグレーブ刑務所・国事犯棟―同年7月
●アブグレーブ刑務所・外人棟―1983年正月
●外人棟―バグダッド―同年6月
●バグダッド―東京―同年8月
内容説明
1981年暮れ、バグダッド市街。不審な男たちに誘拐された日本人商社マンが、恫喝や拷問の吹き荒れる獄舎につながれた。理不尽な追及に耐え、苛酷な情況をしのぎ、異邦の囚人たちと生き延びるための苦悩を重ねる日々。試みられては頓挫する日本側の救出工作。実際に起こった拉致事件の発端から終焉までを、綿密な取材によって描き、フセイン独裁政治の実態を記録した衝撃のノンフィクション。
目次
バグダッド―一九八一年大晦日の前々日
東京―同年十月九日
バグダッド―同年十二月
秘密警察獄房―一九八二年正月
革命評議会裁判所―同年三月
アブグレーブ刑務所・国事犯棟―同年七月
アブグレーブ刑務所・外人棟―一九八三年正月
外人棟‐バグダッド―同年六月
バグダッド‐東京―同年八月
著者等紹介
吉松安弘[ヨシマツヤスヒロ]
1933年、東京生まれ。東京大学卒業。東宝撮影所等で助監督の後、映画監督、脚本家。1976年、文化庁芸術家在外研修員としてニューヨーク大学に学ぶ。1985年より帝京大学で教える(表象文化・比較民俗研究)
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