出版社内容情報
新資料によって「聖戦」の実相を描く鎮魂の書。
太平洋戦争における主要な決断はどのような事情により、どのようになされたのか? その真相を解き明かし、戦史研究に一石を投じた書。
最近、天皇に関する書籍が各社から刊行されており、ちょっとした天皇ブームの感さえある。平成も15年目を迎え、太平洋戦争終結からは58年。天皇制、とくに昭和天皇について客観的かつ冷静に研究成果を著せる時期がきたということだろうか。
▼本書もその流れのなかにある一冊といってよい。太平洋戦争の最高意志決定機関である大本営政府連絡会議を中心に、太平洋戦争の主要な決断20について、昭和天皇がどのようにかかわり、どのような事情によって国策としての決断が行われ実施されたのか。「聖戦」の実相を昭和天皇の言動をとおして解き明かそうというのが、本書の狙いである。
▼その意味で本書は、まさに「戦う天皇」の姿を浮かび上がらせた、一級のノンフィクションであり、研究書である。戦史研究者、天皇制研究者はもちろん、「あの戦争」を考えるうえで、現代の多くの日本人に手にしてもらいたい作品である。
▼『戦う天皇』を文庫化に際し改題した。
●第1章 開戦決定の真相
●第2章 ニイタカヤマノボレの功罪
●第3章 マレー作戦の論争点と決断
●第4章 明暗をわけた二つの誤判断
●第5章 妥協の産物、第二段作戦計画
●第6章 同床異夢のガダルカナル作戦
●第7章 交換条件で始まったニューギニア攻勢
●第8章 唯一の希望だった絶対国防圏
●第9章 戦後に生きた大東亜会議構想
●第10章 終生の恨事インパール認可 ほか
内容説明
太平洋戦争の最高意志決定機関である大本営政府連絡会議を中心に、主要な決断20について、どのような事情によって、国策としての決断が行なわれ、実施されたのかという「聖戦」の実相を、大胆に解き明かそうというのが、本書の狙いである。昭和天皇の側近たちからの意見聴取と指示、それを受けた作戦と行動…。そこには、まさに「戦う天皇」の姿が浮かび上がってくる。
目次
開戦決定の真相
ニイタカヤマノボレの功罪
マレー作戦の論争点と決断
明暗をわけた二つの誤判断
妥協の産物、第二段作戦計画
同床異夢のガダルカナル作戦
交換条件で始まったニューギニア攻勢
唯一の希望だった絶対国防圏
戦後に生きた大東亜会議構想
終生の恨事インパール認可〔ほか〕
著者等紹介
土門周平[ドモンシュウヘイ]
1920年、東京に生まれる。府立四中を経て、陸軍士官学校卒業(第55期、機甲科)。戦車連隊中隊長で終戦を迎える。戦後は陸上自衛隊富士学校教官、陸幕勤務ののち、防衛研究所戦史編纂官を経て、退官。現在も防衛研究所、自衛隊幹部学校で、軍事戦略思想史、戦争指導史を講義。軍事研究の現役の第一人者である。国際軍事史学会日本事務局担当を経て、現在、日本軍事史学会副会長、クラウゼヴィッツ学会会員、防衛学会会員。「第三次世界大戦」で第40回文芸春秋読者賞受賞
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感想・レビュー
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