出版社内容情報
今、敢えて問う「愚直に生きること」の美しさ。
特定の宗派に属せず仏教研究に身を捧げてきた著者が、小賢しい生き方より、「愚直に生きること」の美しさを説く現代人へのエールの書。
種田山頭火、尾崎放哉…。本書は、全国を放浪しつつ句作を続けた二人の男の話から始まる。山頭火は家業の倒産、弟の自殺、離婚、父の死などの不運の連続により、人としての崩壊を眼前に出家する。しかし寺に落ち着くことなく、一切を捨て去り、酒と旅と句作に生きた。
▼放哉は、東京帝大を卒業後、生命保険会社に就職。が、その要職も妻子も捨て、放浪生活に入る。寺男・堂主の生活を送りながら句作を続けた。
▼二人に共通するのは、句作だけではない。家族、財産・地位・名誉・義理など、世の人が後生大事に守ろう、得ようとするものから縁を絶ち、何もかも放り出さなければ生きられなかった点である。まさに「生きるのが下手な人」の代表格だ。
▼本書には、貧乏書家時代の相田みつをなど、12人の「人生下手」が登場する。しかし、皆、生きたいように生きた人間ばかりだ。
▼生きたいように生きる。その大切さを彼らの生き方を通して説く、救いの人生論である。
●第1章 放り出して生きる
●第2章 生きたいように生きる
●第3章 きびしく鮮烈に生きる
●第4章 私心なく生きる
●終章 愛の環の中に生きる
内容説明
いくら働いても成果の上がらぬ人、一生懸命やっているのに人から認められぬ人。騙されてばかりいる、相手を悪く思えない…、こんな人たちは皆、生きるのが上手な人とはいえません。その原因は、あなたのどこかに「いい格好をしよう」という思いがあるからでは。名誉や面子、そんなものは放り出して、生きたいように生きることの大切さを説く、救いの人生論。
目次
第1章 放り出して生きる(雪ふる逢へばわかれの雪ふる―放浪の俳僧、山頭火;無明の闇が、無明のままに輝く―盲目の念仏僧、暁烏敏 ほか)
第2章 生きたいように生きる(龍が玉を吐くようにいのちを吐く―ある女好きの男の硬骨の人生;おまえも死ぬぞ―不器用にまっすぐ生きた毎田周一 ほか)
第3章 きびしく鮮烈に生きる(美しき人になりたく候―会津八一の鮮烈な生きざま;歌を詠む者は、凛々としていなくてはならぬ―生涯病んだ歌人、吉野秀雄 ほか)
第4章 私心なく生きる(はるかなるものの呼び声―坂村真民の詩から;目に見えないものを見つめて―あるキリスト者と妙好人 ほか)
終章 愛の環の中に生きる
著者等紹介
紀野一義[キノカズヨシ]
大正11年、山口県萩市北古萩の妙蓮寺に生まれる。旧制広島高校から東京大学文学部印度哲学科に入学。昭和18年12月、学徒動員にて広島五師団工兵連隊に入隊。将校任官後南方の戦地に向かう。出征中、広島原爆にて家族すべてを喪い、財を失う。昭和21年2月、中国軍の捕虜から解放され帰国。昭和23年、東京大学卒業。宝仙短大学長を経て、現在正眼短大副学長。また、在家仏教団体真如会主幹として仏教文化の啓蒙運動に挺身している
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まつ
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