PHP文庫<br> 陸奥宗光とその時代

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PHP文庫
陸奥宗光とその時代

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  • サイズ 文庫判/ページ数 601,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569579207
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0120

出版社内容情報

明治日本の生存と尊厳を守り抜いた男の生涯。

若き日の坂本竜馬らとの交流から、欧米留学後に外務省に入省し、明治日本の生存と尊厳に命を賭した外交官の波乱の生涯を描く力作評伝。

著者には、すでに『陸奥宗光(上下)』(PHP文庫)という著作がある。これは、陸奥宗光の一生を描いた長編評伝である。その著者が、なぜ再び陸奥宗光を素材に、『陸奥宗光とその時代』と銘打ち本書を著したのか。その意図は、まさに「その時代」の4文字を付したところにある。

▼つまり、英国との条約改正を成功させ、三国干渉を素早く収拾した陸奥宗光という、明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外交官の波乱の生涯をとおして、日本における近代とは如何なる意味を持っているのかについて、客観的な論考を試みようとした点である。

▼この試みにこそ、元駐タイ大使であり、外交史の研究家としての、なみなみならぬ意欲がうかがわれるのである。

▼本書は、小村寿太郎、幣原喜重郎、重光・東郷、吉田茂と続く、「外交官とその時代」シリーズ全5部作の第一弾である。外交史、近現代史の研究者はもちろん、明治以降の日本の歩みを考えるうえで恰好の読み物である。

●第1章 父と子 
●第2章 自得翁 
●第3章 明治維新 
●第4章 鵬翼折る 
●第5章 冬の鶯 
●第6章 蛍雪の功 再び 
●第7章 蛍雪の功 三たび 
●第8章 日本のデモクラシー 
●第9章 日本の憲政 
●第10章 議会民主主義の最初の挫折 
●第11章 条約改正問題 
●第12章 朝鮮半島における日清の角逐 
●第13章 東学党の乱 
●第14章 開戦へ 
●第15章 開戦外交 
●第16章 豊島沖の海戦 
●第17章 日本軍の快勝 
●第18章 戦争の終局 
●第19章 三国干渉 その一 
●第20章 三国干渉 その二 
●最終章 陸奥の死 

内容説明

不平等条約の改正、日清戦争と下関条約、そして三国干渉…。激動の時代にあって日本の命運を担い、日本近代外交の礎を築いた陸奥宗光。本書は、一家流浪、坂本龍馬との出会い等を経て、第二次伊藤内閣の外相となり、英国との条約改正を成功させ、三国干渉を素早く収拾するなど、見事な外交手腕を発揮し、明治日本の生存と尊厳を守り抜いた外交官の波乱の生涯を公正・客観的に綴った力作評伝である。

目次

父と子―爛熟する十八世紀文化
自得翁―江戸時代エリートの思想的遍歴
明治維新―革命と硝煙の時代へ
鵬翼折る―プロシア的軍事国家の出現
冬の鴬―土佐のいごっそうに振りまわされる
蛍雪の功再び―獄中の勉強三昧
蛍雪の功三たび―プロシア的憲法でよいのだろうか?
日本のデモクラシー―近代国家への模索
日本の憲政―世界に誇るサムライ・デモクラシー
議会民主主義の最初の挫折―暴力的な大選挙干渉〔ほか〕

著者等紹介

岡崎久彦[オカザキヒサヒコ]
1930年大連生まれ。東京大学法学部在学中に外交官試験に合格し外務省に入省。1955年ケンブリッジ大学経済学部学士及び修士。在米日本大使館、在大韓民国大使館などを経て、1984年初代情報調査局長に就任する。その後も駐サウジアラビア大使、駐イエメン大使を務め、1988年より駐タイ大使。1992年退官。現在は岡崎研究所所長。著書に『隣の国で考えたこと』(中央公論社、日本エッセイストクラブ賞)、『国家と情報』(文芸春秋、サントリー学芸賞)など多数
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

日の光と暁の藍

6
陸奥宗光の傑作評伝。不平等条約の改正、日清戦争とその講和までの期間における伊藤博文と陸奥宗光の外交政策における意思決定のコンビネーション。日本の憲政史上で真に理想な選挙は第一回総選挙だけだったと述べる『憲政回顧録』(岡崎邦輔著)の存在。中でも一番注目したのは、薩長史観に埋もれてしまった紀州の歴史である。陸奥は紀州藩において全国に先駆けて近代国家の雛型を作ろうとした。四民平等、士族制度の廃止、徴兵制。これらを実行した津田出らの存在。紀州藩の改革が、明治維新の流れに決定的な影響を与えたと、著者は述べている。2018/06/23

バルジ

2
陸奥宗光が生きた時代を活写する歴史評論。 「ホイッグ史観」が過ぎると感ずる部分が多々あるも、 激動の幕末明治を駆け抜けた一人の大政治家・外政家の歩みを知れる。 歴史家にはその慣習上書けないような切れ味抜群の筆致と熱量は読む者を飽きさせない。著者岡崎久彦にとって陸奥の生きた時代は祖父を通じて身近であり、1990年代生まれの評者とその歴史感覚は全く異なっている。そういった歴史感覚の差も楽しむことが出来る一冊である。2019/03/27

junkoda

2
戦前昭和の本を色々読んでいて、松岡洋右がわけわからなくて疲れたので陸奥宗光まで遡って来た。この本とは直接関係ないけど今頃ようやく気づいたことがある。日本人の大多数は尊王攘夷の幕末のから今に到るまでずっと対外強硬派なんだ。戦前昭和に不況やら満州事変やらで急に変わってわけでもなく、今でも強硬な政治家を支持する。2018/02/06

Maeda Reiji

1
龍馬→伊達陽之助→原敬の薩長とは別の軸を解説した名著。小生の「北日本州」思考と共通する部分も。2013/11/11

muko1610

1
★★★★2008/03/29

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