出版社内容情報
大英大国の衰亡を克明に論考した長編歴史評論。
世界に覇を唱えた大英帝国は、なぜ滅びたのか! 毎日出版文化賞、山本七平賞ダブル受賞で話題をさらった長編歴史評論、待望の文庫化。
ギボンの『ローマ帝国衰亡史』を挙げるまでもなく、歴史上、帝国が興隆し、衰亡の道をたどった過程を描いた歴史書は数限りない。その意味で、歴史とは「幾多の帝国の興隆と衰亡の歴史」といってもよいかもしれない。
▼本書は、大英帝国に日の没するところなし、と謳われた大英帝国が誕生し、衰亡に至るまでの過程を、多くの文献を渉猟し、つぶさに検証した長編歴史評論である。
▼多くの「衰亡史」が、その最盛期から衰亡の過程を描いているのに対し、本書の特徴は、まさに大英帝国の誕生の経緯ももらさず記しているところである。なぜアイルランドの独立運動がおきたのか、その訳も本書を繙けば納得がいく。
▼本書の上梓は1997年。まさに香港、中国への返還の年であり、大国がいかにして主役の座を降りることになったのかを振り替えるにふさしい年でもあった。第51回毎日出版文化賞、第7回山本七平賞ダブル受賞に輝く、著者渾身の歴史評論、ついに文庫化!
●第1章 「パスク・ブリタニカ」の智恵
●第2章 エリザベスと「無敵艦隊」
●第3章 英国を支えた異端の紳士たち
●第4章 帝国の殉教者ゴードン
●第5章 「自由貿易」の呪縛
●第6章 「ボーア戦争」の蹉跌
●第7章 アメリカの世紀へ
●第8章 改革論の季節
●第9章 悲しみの大戦
●第10章 ロレンスの反乱
●第11章 “バトル・オブ・ブリテン”、そしてフル・ストップへ
●第12章 旗の降りる日
内容説明
ローマ帝国を挙げるまでもなく、歴史上、多くの「帝国」が興隆し、衰亡していった。その意味で世界史は「幾多の帝国の衰亡の歴史」といってもよい。本書で著者は大英帝国の興隆に寄与した3つの戦争と、衰退の節目となった3つの戦争に着目しつつ、いかにして大国が主役の座を降りるに至ったかを克明に描いている。第51回毎日出版文化賞、第6回山本七平賞ダブル受賞に輝く長編歴史評論。
目次
「パクス・ブリタニカ」の智恵
エリザベスと「無敵艦隊」
英国を支えた異端の紳士たち
帝国の殉教者ゴードン
「自由貿易」の呪縛
「ボーア戦争」の蹉跌
アメリカの世紀へ
改革論の季節
悲しみの大戦
ロレンスの反乱
“バトル・オブ・ブリテン”、そしてフル・ストップへ
旗の降りる日
著者等紹介
中西輝政[ナカニシテルマサ]
1947年、大阪生まれ。京都大学法学部卒業。英国ケンブリッジ大学歴史学部大学院修了。京都大学助手、三重大学人文学部助教授、スタンフォード大学客員研究員、静岡県立大学教授を経て現在、京都大学総合人間学部教授。『大英帝国衰亡史』で、第51回毎日出版文化賞、第6回山本七平賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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